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お金持ちになる方法:黄金の羽根の拾い方 橘玲【要約・書評】

お金持ちになる方法:黄金の羽根の拾い方 橘玲【要約・書評】

こんな疑問や課題に答えます。

橘玲氏の著書2017年8月出版「新版 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計のすすめ」の内容、要約、書評、感想とは?

お金に困らない(損しない)ための最適な人生戦略とは?

とも

国、会社、家族に依存せず生きるには、十分な資産(お金)が必要(経済的独立には1億円)です。そのお金を少しでも合法的に蓄えるために、橘玲氏が調査した内容(日本の税制度や公的融資制度)が、実体験を踏まえた上で詳しく綴られています。

つまり、「会社に依存せずに経済的独立を達成したい」人のための本になります。どうして橘玲さんが経済的独立を果たしたいと思ったのか?それは勤めていた出版業界が構造的に縮小することに気付いたからだといいます。その内容も記載されています。

ということで、本書の中で印象深い箇所を交えながら、合法的に資産を蓄える方法について紹介します。

社会保険料という税金

物事の本質や行動を起こす上でまず最初に調べておいて損はないことが「歴史」です。ということで、人生戦略を考える上で、人類と、所得(お金)の歴史を簡単にみてみましょう。

人類の歴史

そもそも人類の元となる猿が現れたのが約1億年前といわれ、脳を持ち二足歩行できるようになり人類最初の祖先「猿人」が誕生したのが、約600万年前とされています。

ちなみに「原人」が約180万年前、「旧人類」が約50万年~30万年前、そして現代人と同じ「新人類」が登場したのが約20万年前といわれています。

参考 人類の誕生Wikipedia

そして、打製石器を利用するようになった「旧石器時代」が約260万年〜1万年前(日本列島における人類初の足跡は約10万年前)、磨製石器が「新石器時代(日本史では縄文時代)」の約1万年〜3000年前といった流れになります。

参考 日本史時代区分表Wikipedia

599万年間は狩猟採集生活

ここで大切なことが、人がどのように生活していたか?です。これを調べて驚いたのが、狩猟採集生活が人類誕生の600万年前から1万年前の間の「599万年間」と人類の大半を占めることです。そう、農耕生活が始まったのはまだ「1万年前」なんです。

つまり、僕らの脳は、人類の進化の中で599万年間も生きた狩猟採集生活に最適化されており、高度化する現代の知的社会に適応できていないのです。会社というシステムここ100年200年の話で、人類の歴史からするとちっぽけなものなのです。

所得の歴史

次に驚いたのが、約10万年前の旧石器時代から西暦1800年の生活水準はほぼ同じで変わっていないということです。そして、平均寿命も狩猟採集時代の30~35歳から変化していないことです。

この状況が一変したのが18世紀(1700年代)半ばから19世紀にかけて起こったイギリスの産業革命」です。この期間の技術の進歩が生産性を一気に向上させて、市場拡大とともにGDP(国内における付加価値の総額)が急成長したのです。

そしてこの産業革命による恩恵を受けられている国は、世界でみれば限られており、様々な問題を抱えているとはいえ、日本で生まれただけで「サイコロの目で6が出たようなもの」です。そして橘玲氏は、人生について下記のように述べています。

私たちは容姿や体型を容易には変えられず、運動能力や音楽など芸術的な才能だけでなく、知識社会で生きていくための知能もその多くは親からの遺伝です。(中略)しかし、これら「どうしようもないこと」のなかでほぼ唯一、個人の努力で状況を改善できるものがあります。それが、人生における経済的な土台(インストラクチャー)です。(中略)

ひとつだけ大切にしてきた原則があります。それは、どんなときもできるだけ経済合理的に判断する、ということです。なぜならビジネスも資産運用も、(短期的にも偶然に左右されるとしても)長期的には経済合理的な選択がもっとも有利になるようにできている(はずだ)からです。

では、経済的な土台を考える上で、まずは私たちが居住している日本のキャッシュ・フローをみてみましょう。

日本のキャッシュフロー(歳出と歳入)

日本のキャッシュフロー
日本のキャッシュフロー
出典:財務省

2018年年時点で約100兆円です。歳出の3分の1を「社会保障費」が占めており、3番目に「地方交付税交付金」が多い状況です。この2つでなんと支出の半分です。笑

MEMO
地方交付税交付金とは、役所の給料であり、地方公共団体(地方自治体)間における財源の偏りを調整して、全国の公共サービスを一定化するためにあるものです。例えば、会社の本社は国の首都である東京に集中しているので、そのままだと地方の財源が足りなく、東京に財源が集中してしまうのです。要は、富の再配分です。

そして2番目に多い4分の1を占めるのが「国債(国の借金)」で、残りの4分の1が「その他」という内訳ですね。

では、その財源(歳入)はどこから出ているかというと、「租税(所得税、消費税、法人税、その他)」が6割です。ここで注目すべきは法人より個人の方が約1.5倍も徴収されている点です。残り4割は「公債(国債の発行)」により、賄われています。

注意
法人の6〜7割は赤字決算なので、実は税収のほとんどは個人の所得から徴収されているのです。ここにこの国のカラクリがあるわけです。また、黒字決算にすると税務調査がくるので、企業はとにかく赤字決算にするのです。

社会保障制度を維持するためのコストは「120兆円」


出典:厚生労働省

また、政府は、年金の支給開始年齢引き上げは政治的に困難なため、社会保険料(健康保険・年金)の料率をガンガン上げることで、社会保障制度の破綻を避けています。また社会保険料は、多くの現役世代から天引きなどで徴収しやすいからです。

超高齢化社会の日本は、とにかく健康保険料が高いです。1〜3割負担なので、お年寄りが病院にごった返しており、健康保険料は下げ止まる気配がしません。また、高額療養費制度もあるため、病気になってから治せばいいという「インセンティブ」が機能しています。

本来は予防医療が大切なのですが、高額療養費制度や1〜3割負担などの医療コストが少ない構造上、全く予防医療が浸透している感じがしません。そんななかで、病気の予防に努めて、高い保険料を納めている若者の負担は計り知れません。

だからといって、日本以外に住むのがベストかというと、そうでもなく、言葉の壁や文化の違いから多くの日本人にとって現実的ではないでしょう。つまり、この国で生きていくことを前提に人生の戦略を考えなければなりません。

国民年金は厚生年金よりもお得な仕組み

これは目から鱗の内容だったのですが、国民年金の利回りは男性1.48%、女性2.44%だといいます。さらに社会保険控除や年金の受取りなどの各種控除があり、おまけに障害年金や遺族年金も付加されているのだから、超優秀な金融商品だということです。

しかし、国民年金加入資格者約1900万人のうち4割の人が全額免除か未納と制度自体は崩壊しかけています。この年金の赤字は誰が補填しているのかというと、サラリーマンが強制的に加入している厚生年金からなのです。

それにもかかわらず、どうしてこのカラクリが話題になっていないのかというと、保険料は労使折半のため、半分は会社が負担することになっているからです。もちろん人件費にこの会社負担分も含まれているので、実質サラリーマンが損している構図になります。

理不尽な構図は健康保険制度も同じ

  • 自営業者が加入する国民健康保険(国保)
  • 大手企業や業界団体が設立した組合健康保険(組合健保)
  • 健保組合を独自で持てない中小企業のための全国健康保険協会(協会けんぽ)

厚生年金制度という同様に、健康保険制度も現役時代の負担が年々重くなる理不尽な構図になっています。国民医療費は約40兆円で、そのうち15兆円は75歳以上の後期高齢者で、その7割は健保組合からの拠出で賄われています。

つまりサラリーマンが負担しているのです。年金にせよ、健康保険にせよ、現役時代が引退世代を支える仕組みなので、実態は所得の再配分であり、社会保険料という名の社会保険”税”なのです。

会社負担の社会保険料を加えたサラリーマンの実質税負担

会社負担の社会保険料を加えたサラリーマンの実質税負担

これが生涯収入3億円のうち、約1億円は税金で消えてしまうという橘玲氏が警鐘している主張の核心です。そして社会保険料の問題は個人事業主の方も深刻です。例えば、年収300万円とすると収入の約4分の1が社会保険料として徴収されてしまいます。

資産運用の戦略

それらを踏まえた上で、今度は資産運用についてみてみましょう。ちなみにフランスの経済学者ピケティがあらゆる書物を読み、歴史的なデータに基づいて導き出した資産増大の法則は「r(資本収益率)>g(経済成長率)」でした。

詳しくは「21世紀の資本」に記載されていますが、要は、労働所得よりも、資産から所得の方が大きいということでした。つまり、お金持ちがよりお金持ちになるのが、資本主義社会の法則であり、資本主義は格差社会にならざるえない構造なのでした。

お金持ちの3つの方程式

お金持ちになる方法は「資産形成(経済的な土台)=(収入−支出)+(資産×運用利回り)」というとてもシンプルな方程式で表せます。だから、巷に溢れるお金稼ぎ系の情報は全て、下記3つに集約されるのです。

  • 収入を増やすノウハウ
  • 支出を減らすノウハウ
  • 資産運用指南本

これは、日本のような人件費の高い国はその気になれば、田舎の三畳一間のボロアパートで質素に暮らし、1日16時間休みなしで働くことで、このお金持ちの3つの方程式の通り、誰でもある程度の資産を形成できるということになります。

だから「支出を減らすミニマリストという生き方」が、そして「収入を増やす好きなことを仕事にするという働き方」が、経済合理的な人たちを中心に支持されているんですね。ちなみに橘玲氏は、お金稼ぎ本の代表格である「金持ち父さん貧乏父さん」について、日本では使えないノウハウが多すぎると批判しています。笑

参考 【wi-fi運用】スマホとパソコンを月額3000円以下にする方法ともろぐ 参考 好きなことを仕事にすべき理由:幸福の資本論 橘玲【要約・書評】ともろぐ

資産運用は十分な資金がなければ投資すべきでない?

収入を増やし、支出を減らしたら、資産が形成できます。この資産はある程度ないと運用してもスケールメリットが少ないので、一般的にはあまりしない方がいいとされています。しかし橘玲氏は「投資をするに値する理由がある」といいます。

その理由は、老後、人的資本による収入が0になったときに、それまで全く金融市場の知識を持っていなければ、複雑な金融市場相手に資産を守ることが困難なことが容易に想像できるからです。

僕もこうした理由から、100万円という資産から、運用を始めるようになりました。投資を通じて得られたノウハウは、こちらの「資産運用・投資に関するサイト」で共有していますので、よかったらご覧ください。

ただ、今の時代は無料で最適な資産運用プランを膨大なビックデータからロボアドバイザーが提示してくれるウェルスナビ」というサービスがありますので、そこまで問題ないかもしれませんね。

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自己投資と他者投資(株式投資)はどちらがいい?

一方で、一般的な投資とは株式などの金融商品の購入に充てることです。つまり、投資した先の会社の経営者や労働者に自分の代わりに稼いでくれることを期待することが株式投資、といっても過言ではないからです。

したがって、投資するとしたら、他者へ投資という感覚を持つことが大切になります。だから、橘玲氏は初期の資産運用において下記のようにも述べています。

アメリカ人の学生が、借金をしてまでMBAや博士号を取得するのは、それによって、能力の如何にかかわらず給与が上がるからです。日本企業でもいずれ、こうしたキャリアシステムによる人事考課が定着してくるでしょう。資産運用の初期においては、金融資産に投資するよりも、人的資本に投資した方が合理的です。なぜなら、他人はあたなのために働いてくれませんが、あなたはあなた自身のために真剣に働くだろうからです。

父親をパトロン、母親を家政婦にするパラサイト・シングルという戦略

そして、自己投資よりも簡単にお金を増やす方法についても綴られています。

自分に投資するとよくいわれますが、その投資の大半はムダになっているという現実もあります。サラリーマンとして出世したり、ビジネスを立ち上げて成功したり、そういう理想像だけを追い求めても成功の果実を手にできるひとは限られています。では、人的資本に投資しても思うような成果を挙げられない私たち凡人は、どうすればいいのでしょうか?実はここにもちゃんと解決策があります。それは、支出を減らすということです。(中略)金持ちはケチだとよくいわれますが、これは論理が逆で、ケチだからこそ金持ちになれたのです。

パラサイト・シングルと呼ばれる、卒業後も親と同居している人達は若年未婚者層(20~34歳)は「45.8%」もいるといわれています。彼らは社会人にも関わらず、自立していないと避難されがちですが、経済合理的に考えたら「好手」です。

それは実家ぐらしの20代女性のインスタグラムをみれば理解できます。彼女たちは毎週のように美味しいものを食べたり、旅行にいったり、とても優雅な生活をしています。一人暮らしでも安い家に引っ越せば解決できますよね。

参考 親と同居の未婚者の最近の状況(2016 年) 総務省統計局

ベンチャー企業の採用戦略

またベンチャー企業が億万長者になる機会を社員に与える理由について「それ以外に社員を惹きつける魅力がないから」という考察も面白かったので紹介していおきます。

創業したばかりの会社は、社員に給料を払う前に、設備投資や研究開発費に多額の資金を投入しなくてなりません。そのためには、数少ない社員に低賃金で長時間労働を強いることになります。そのうえ、事業が成功する保証はありませんから、会社が倒産してしまえばそれで終わりです。大手企業と比べてはるかに見劣りするこうした条件でも優秀な人材を確保するために考えつかれた魔法の杖がストックオプションで、要は宝くじの一種です。

僕は以前、スキャンマンという派遣型スキャン代行業の創業前の超ベンチャー企業に、創業メンバー3人のあとのメンバーとして高校時代の同級生と一緒にジョインした経緯があります。

創業メンバーのあとのジョインですので、時給1000円のアルバイトとして勤めていたに過ぎないのですが、創業メンバーの3人にはストックオプションの権利がいくらか付与されていて、月給10~15万円の役員報酬で一生懸命働いていました。

もし自分にもストックオプションが付与されていたら、今とは違うキャリアを歩んでいたかもしれません。

家賃などの生活費問題における最適解

人口減と都心回帰で東京郊外は空室が増え、家賃が下落しています。八王子や青海の駅からバスで10分ほどのところなら、2LDKの小奇麗なアパートで家賃は月5万円程度です。交通の便は確かによくありませんが、コンビニやスーパー、ファミリーレストランはあるし、最近ではネット通販でなんでも買えます。医療施設も充実しており、なんといってもすべてが日本語だけで足りるのが魅力です。90年代の金融危機の頃は「アジアに移住して豊かな年金生活」が流行しましたが、いまではタイより日本の方がずっと生活コストが安くなりました。農業をやりたいのなら別ですが、家計の節約のために田舎暮らしをする必要もありません。限られた年金を有効に使うなら、東京(や他の大都市)の郊外を目指すべきです。

さて、支出の中で一番大きい出費が生活費です。この支出を減らすために、海外への移住を試みる人が若者を中心に増えてきているように感じるのですが、現実としては難しい選択のようですね。周囲をみてみても、すぐに日本に戻ってきています。

それよりも、橘玲氏も仰る通り、東京など大都市の郊外の方がよっぽど現実的な選択肢だと思います。例えば僕の友人は、八王子という東京で一番人口が多い街に住んでいますが、家賃2万円代といいます。調べたら、そんな物件がゴロゴロありました。

参考 八王子市の物件一覧ホームズ

このように海外に行かなくても人口減少社会の日本では、十分に低支出で暮らせていける環境が整っているのです。

夢のマイホームは不動産への一極集中投資のこと

日本人のポートフォリオ

日本人のポートフォリオ

一般的に資産運用は「財産3分法」といって、預金もしくは国債に5割、株に2.5割、不動産に2.5割のポートフォリオが最適だと言われています。しかし、住宅ローンを利用したマイホームの購入は、上記のように不動産に集中しています。

ローン金利が3%だとすれば、借金の返済によって3%で資産運用しているのと同じ効果が得られるので、多くの人は生活費を残して図10のように住宅ローンの返済に資金を充てます。これによって、投資の大原則である「タマゴをひとつのカゴに盛るな」の真逆をやってしまうのです。

マイホーム(持ち家)というのは、資産以前に「家族の夢」です。不動産が「夢」に変わるのは、家を買うと賃貸のときにはなかった満足感や安心感が得られるからです。経済合理的に考えれば、家主から家を借りても(賃貸)、銀行からお金を借りても(住宅ローン)大きな違いはありません。(中略)生き物は進化の過程のなかで「なわばりを守れ」という本能を埋め込まれてきました。古今東西、自分の城を持ち、そこに家族を住まわせることにヒトは深い喜びを感じるのです。

法人格(一人社長)税金戦略

  • 合法的な範囲で、できるだけ税金を払わない
  • 合法的な範囲で、できるだけ多く再分配を受ける

国家のダークサイド(暗黒面)に堕ちず、合理的に人生を設計する2つの方法です。そこで有効となる戦略が「法人格」という会社の人格を獲得すること(法人化)と橘玲氏はいいます。

税金の3つの種類

課税方式

課税方式

  • 所得課税
  • 消費課税
  • 資産課税

課税される税金には上記の3つの種類があります。節税において、この所得課税を減らすのが大切になるわけですが、サラリーマンは効率化のために給与所得控除という名の必要経費が自動的に決まっています。

一方で自営業者は、そのような便利な控除があるわけではないので、一生懸命に領収書を集めて経費として計上しなくてはいけません。逆をいえば、経費として解釈できそうなものは全て経費にできるのです。つまりここを最適化することが超重要です。

個人と法人の消費

個人と法人の消費

ここで面白いのが、個人の消費は「税引き後に消費」できる流れになるのですが、法人の消費は「税引き前の収入で消費」できることです。だから先述した通り、法人の6〜7割は赤字決算となっており、法人税を払わなくて済んでいるのです。

マイクロ法人に掛かる税金

  • 法人所得800万円以下:15%(以上は23.4%)
  • 法人住民税:12.9%+均等割7万円

法人化すると税金が掛かると巷では騒がれていますが、よくよく見てみれば実は税金は上記2点のみです。つまり、法人の7割は赤字決算ですので、大半の会社は均等割の7万円しか払っていないのです。

さらに法人の経理でも、会計や税務の基本的なことをちょっと勉強すればわかり、記帳や決算書も「MFクラウド」などのパソコンの会計サービスを利用すれば済むので、一人社長ならできる限り自分でやるべきだと橘玲氏はいいます。

記帳を自分でやれば月額3万円のコストが浮きますし、決算書類の作成なら10万円では浮きます。とはいえ、決算書類は融資のときなどによく見られる箇所なので、そこだけ税理士さんに頼むのもいいかと思います。

僕が初めて確定申告したときの様子は、下記の記事に体験レポートとして残してありますので、気になる方は読んでみてください。

参考 【初めての確定申告】会計ソフト「MFクラウド」で簡単書類作成!【体験レポート】ともろぐ

合法的に税コストを下げる4つの基本的なルール

  • 所得税の発生しない範囲で給与を決定する
  • 所得税の発生しない範囲で家族を雇用する
  • 生活費を法人の経費に振替える
  • 個人資産を法人名義で運用する

節税は以上の4つのみです。法人化すれば月給は役員報酬として自分に支払えば損金になります。このとき役員報酬を、所得控除の範囲に抑えることで、税コストを最適化できます。さらに妻を雇用することで、最大103万円201万円(基礎控除38万円+給与所得控除の最低額65万円)も節税できます。

MEMO
2018年からは、配偶者控除の上限年収が150万円までは、満額38万円の控除が受けられるようになりました。さらに配偶者特別控除(夫の所得が1220万円以下)なら上限年収201万円まで受けられるようになりました!
注意
今までは配偶者控除は控除の年収103万円を超えると受けられなくなるため「103万円の壁」と言われていました。しかし、サラリーマンにとってそれよりも重要な壁は、年収130万円を超えると社会保障の加入義務が発生する「130万円の壁」の方でしょう。

絶対にするべきは「ふるさと納税」

住民税は10%取られますが、その住民税の一部をふるさと納税というカタチで納税することで、地方の特産物などが無料で貰えてしまいます。これはお得でしかない制度なので、絶対に活用しておくべき制度です。

所得によって、算出が異なるので、下記のシミュレーションを利用して寄附金控除の該当額を計算してみることをオススメします。自営業者の方は、2番の「給与所得控除後の金額」に所得を入力することで、寄附金控除額がわかります。

参考 ふるさと納税控除上限額シミュレーションさとふる

個人事業主のための2つの節税制度

  • 小規模企業共済(退職金共済):月額最大7万円(年84万円)
  • 国民年金基金(もしくは個人型確定拠出型年金 ):月額最大6万8千円(年81.6万円)

小規模企業共済は退職金共済と言われていますが、定年だけでなく廃業でも受け取れます。

MEMO
小規模企業共済は掛金納付月数によって、支給される割合が変わるため、最低額の1000円でもいいので早めに入会しておくのがベストです!

国民年金基金とはサラリーマンと違って厚生年金がない個人事業主のための年金を二階建てできる制度になります。したがって、国民年金だけでは物足りない人にオススメの年金制度になります。

注意
国民年金基金は、自営業者などが加入する国民年金(平均的な受給額は月額5万3000円)と、サラリーマンや公務員の年金(同16万1000円)の格差を是正すべく1981年にスタートした年金制度です。
MEMO
iDeCoとは、確定拠出年金の略であるDC(Defined Contribution Plan)と個人を表わす「individual」の頭文字を組み合わせたものです。拠出とは相互扶助のために金銭や物品を互いに出し合うこと、つまり毎月支払う金額が確定している年金のことを確定拠出型年金と名付けられました。ややこしいですよね。笑
参考 制度の概要小規模企業共済
所得税がかからない最適年収の構造

所得税がかからない最適年収の構造

自営業者やマイクロ法人の経営者が豊かになる理由

自営業者やマイクロ法人の経営者が豊かになる理由

参考 制度の概要国民年金基金

所得500万の生活費は300万円(さらに生活費を経費に計上できる)

マイクロ法人(一人社長)の場合、所得500万円なら、そのうち200万円強は社会保障(国民年金、国民健康保険)と2つの制度の支払いに充てられるので「生活費は年間300万程」になります。もし妻を従業員にしたら400万円程ですね。

そして住居費や光熱費などは慣例として最低でも半分は経費として計上できる上に、様々な業務に関するものなら何でも経費にできるので、適法な配位でも年200万程度は移転できます。

生活経費の一部を法人経費に移転する

生活経費の一部を法人経費に移転する

月額20万円通算800万円も経費にできる「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)」

掛金月額は5,000円~20万円まで自由に選べ、増額・減額できます。また確定申告の際、掛金を損金(法人の場合)、または必要経費(個人事業主の場合)に算入できるので、節税効果があります。

共済契約を解約された場合は、解約手当金を受け取れます。自己都合の解約であっても、掛金を12か月以上納めていれば掛金総額の8割以上が戻り、40か月以上納めていれば、掛金全額が戻ります(12か月未満は掛け捨てとなります)。
出典:経営セーフティ共済とは 制度の概要

さらにもっと節税したい方は、経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)を利用すると最強です。掛金も選べて、解約もできて、しかも40ヶ月以上納めていれば全額戻るので、こちらも月額5000円でもいいので、早めに入会しておくと後々困らないと思います。

注意
とはいえ、こちらの制度は解約返戻金の支払いにおいて「解約控除」が適用されないため、税金の支払いを先送りすることでしかありません。したがって、黒字のときはガンガン納付して、超赤字決算のときに解約することで初めてお得になる制度です。

余った個人資産を法人名義で運用しよう

上述した方法で合法的に節税して余った個人資産は、「自分の法人に貸し付けると資産運用メリットがある(赤字決算の場合)」と橘玲氏はいいます。なぜなら個人の分離課税から総合課税となり、株や利息が無税で受け取れるからです。

赤字法人で資産運用

赤字法人で資産運用

法人の決算が赤字だということは、その分をどこかでファイナンスしなければなりません。銀行からの融資の場合もありますが、多くのケースで事業主(株主)の個人資産を法人に貸し付けて帳尻を合わせています。法人側で毎年のように赤字が続いていると、この貸付額が累計されていきます。それが仮に3000万円で、毎年、法人から個人に500万円の資金を移転したとすると、これを報酬として支払うのではなく、貸付金の返済として受け取ればいいのです。

これによって、少なくても6年間は所得をゼロにできます(その間も法人が赤字ならこの期間はさらに延びます)。これは一見、不正常な取引のように思えますが、自分(個人)が自分(法人)に貸したお金を返済してもらっているのですから税務上なんの問題もないのです。

ファイナンス戦略

ファイナンスには2種類ある

  • エクイティ・ファイナンス(株式を発行して出資を募る)
  • デット・ファイナンス(融資や債権を投資家に購入してもらう)

エクイティ・ファイナンスの場合、無利息かつ返済義務のない資金を調達できますが、株式を発行するので会社の支配権の一部(議決権)を第三者に受け渡すことになります。したがって、最近の経営学ではデット・ファイナンスが好手とされています。

公的金融機関から融資してもらおう

  • 東京都産業労働局(小規模企業向け融資)
  • 日本政策金融公庫(経営・金融環境変化対応資金)

ファイナンス(資金調達)は一般的には民間金融機関の銀行から融資してもらうことが多いようですが、実は公的金融機関から融資してもらうことが、低金利で借入できる一番の近道です。特に上記2箇所の内容がすごいです。

例えば、小規模企業向け融資は、従業員30人以下(卸売業、小売業、サービス業は10人以下)の事業者に対して、最大8000万円までの資金を返済期間3年以内なら年利2.1%以下、7年超でも2.7%以下で融資してもらえるというのです。

さらに、日本政策金融公庫でも、融資限度額4000万〜4800万円を条件によりまちまちですが、5年以内なら0.9%〜2%以内です。日本政策金融公庫のサイトは充実しているので、興味ある方は一度覗いてみると面白いと思います。

MEMO
個人が公的金融機関の低利融資を利用できる機会は住宅ローンか教育ローンに限られているのに比べて、法人は莫大な税金が投下されているため、このような制度が成立しているのです。これを活用しない手はありません。

新宿区の創業支援融資制度

貸付限度額2,000万円
貸付期間7年以内(うち据置期間12か月以内)
金利2.1%以下
本人負担0.7%以下
区負担1.4%以下
信用保証料補助支払った信用保証料の1/2を補助(上限26万円)

こちらは、創業5年未満の個人、法人に向けて、新宿区が取り組んでいる融資制度です。言うまでもなくこの融資は、2000万円を0.7%以下という超低金利で貸してくれるという、とんでもなく恵まれた条件です。登場機関は以下の3つです。

創業支援融資制度の仕組み

創業支援融資制度の仕組み

この構造を紐解いてみると、自治体が利子補給してくれていますが、これは議会によって承認された「地域産業振興予算」から支出されているようです。そして元金は金融機関が融資しているので、自治体はノーリスクです。

そして金融機関自体も、貸出には信用保証協会の保証がついているので、ノーリスクです。このことから、自治体と金融機関は融資の申請をふたつ返事で引き受けてもらえるといいます。

したがって、信用保証協会の保証が必要な融資は、まずは信用保証協会に足を運んで融資条件と必要書類を確認することが、非常に重要になるわけです。とはいえ、保証協会も役所の一種なので、ルール通り手続きすれば問題なく受理されると橘玲氏はいいます。

参考 創業支援融資制度新宿区

おわりに

個人と法人という2つの人格を持つだけで、法人で経費を計上しながら、自分の報酬に給与所得控除が認められるという「経費の二重取り」ができるなんて大変驚きですよね。その上で様々な社会保険制度を活用すれば、さらにお得になります。

とはいえこれらは脱税でも何でもなく全て合法的な節税であり、全て情報公開(ディスクロージャー)されています。経費としての判断は説明責任(アカウンタビリティ)が果たしていれば問題ありません。

例えば、サービス残業代分を取り返そうと「法定では証拠が全て」という格言に乗っ取り、証拠を自ら作成した労働者さんと弁護士さんとのやり取りがツイッターで話題になっていました。


ブラック企業により不正に残業させられており、その説明のために自ら「出勤簿」を作成したとします。企業側がこのデータを間違いという不服申立てをするには、「反証材料」が必要となるので、極めて反論は難しいのです。

上記の事例のように、税法についても、もし法定で争うことになった場合、税務署側が「それは経費ではない」という明確な反証材料がない限り、その経費を無効化することは困難なのです。

主観的に正しいのは全て「節税」になります。つまり「説明可能なことしかない」という態度が、最も賢い税金に関しての向き合い方になるわけです。

MEMO
脱税摘発の8割が金融機関への税務調査で発見された架空名義の口座に端を発しており、残り2割は情報提供(密告)みたいです。

ということで、法人のファイナンスや税制を理解する上で、非常に学ぶことが多い書籍でしたので、法人化を検討しているフリーランスの方や、独立願望の強いサラリーマンの方は、ぜひ本書をオススメします。

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