こんな疑問や課題に答えます▼
自分がHSP(超敏感人間)かどうなのか?を診断チェックしたい。
HSPが向いている仕事・職業・適職を知りたい。
とも
世界中で100万部以上出版の訳書になります(エレイン・N・アーロン博士もHSP)。HSPとは、ハイリー・センシティブ・パーソン(Highly Sensitive Person)の略称であり、非常に敏感・繊細・感受性の強い特性を持つ人のことを指します。
HSPとは、1990年代から「繊細」について研究していた心理学者のエレイン・N・アーロン博士が、1996年に名付けたものです。本書には、HSP(5人に1人の確率)に5年も掛けて何百人にもインタビューを重ねて調査した、研究結果が綴られています。
そんな本書に書かれたHSPの情報は「人生が劇的に変わった」と大反響を呼び、一躍アメリカで大ヒットの大ベストセラーとなり、こうして日本語訳されるくらいになりました。ということで、診断チェックや学びが大きい箇所を引用紹介していきます。
HSP診断チェック
まず初めに、自分がHSPなのか診断チェックしてみてください。下記の質問に14項目以上当てはまればHSPの可能性大です。
- 感覚に強い刺激を受けると容易に圧倒されてしまう
- 自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ
- 他人の気分に左右される
- 痛みにとても敏感である
- 忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる
- カフェインに敏感に反応する
- 明るい光や、強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などにに圧倒されやすい
- 豊かな想像力を持ち、空想に耽りやすい
- 騒音に悩まされやすい
- 美術や音楽に深く心動かされる
- 時々神経が擦り切れたように感じ、一人になりたくなる。
- とても良心的である※1
- すぐにびっくりする(仰天する)
- 短期間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう
- 人が何かで不快な思いをしている時、どうすれば快適になるかすぐに気づく(たとえば電灯の明るさを調節したり、席を替えるなど)
- 一度にたくさんのことを頼まれるのがイヤだ
- ミスをしたり物を忘れたりしないよういつも気をつけている。
- 暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
- あまりにもたくさんのことが自分の周りで起こっていると、不快になり神経が高ぶる
- 空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる
- 生活に変化があると混乱する
- デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
- 同時に自分の中でたくさんのことが進行すると気分が悪くなる。
- 動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
- 大きな音や雑然とした状況など強い刺激に悩まされる。
- 仕事をする時、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
- 子供のころ、親や教師は自分のことを「敏感だ」とか「内気だ」と思っていた
※1:原因がもたらす結果にとても敏感なので、より良心的に行動しようとする。これはHSPが、このままにしておいたらどうなってしまうのか、あるいはこうしたらどんな結果が待ち受けているのか、ということについてよく考え、結果を予測し、それに基づいて行動しようとするからである。
出典:Are You Highly Sensitive?
もしHSPに該当しない場合でも、5人に1人もいるHSPに対する理解を深めて損はありません。
とも
HSPに必要な4つこと
- 自己認識
- リフレーミング(捉え直し)
- 癒やし
- 外の世界との関わり方(刺激のバランス)
もしあなたがHSPならば、HSP(自分)のことをしっかりと認識することが必要です。そして、HSPについてポジティブに捉えることが大切になってきます。
過去の辛い出来事からも目を背けずにしっかりと傷を癒やすことも重要だと著者は述べています。
心理学最大の発見の1つ「人間は最適レベルの神経の高ぶりを必要とし、それを欲する」
そしてHSPにとっての課題は、外界との関わり方です。敏感過ぎる特性を持っているがために、関わりを調節しなければなりません。
多すぎては疲れてしまいますし、少なすぎても(HSPはひきこもりに陥りやすい)いいことではありません。
HSPの特徴・適性
HSPは特別に敏感な神経システムを持っています。例えば下記のような特徴が挙げられます。
- 車のかすかな振動にも気付く
- 空気中の物質に敏感である(花粉症やじんましんなどにかかりやすい人が多い)
- じっとしているのは得意
- 朝型人間(例外はたくさんいる)
- カフェインなど刺激に影響されやすい(人によっては慣れてしまう)
- より右脳的で、直線的・論理的アプローチよりも創造的・統合的なアプローチを取る
このようにHSPは、微妙な刺激にも反応してしまう神経システムを保有していることを理解しておく必要があります。
HSPが不調に陥る3つの原因
- 音や光、食べ物、環境などに過敏
- 人のエネルギーに過敏すぎて、人の不調に影響されてしまう
- 幼少期の家庭環境で負ったトラウマが、脳や神経に影響
そして、HSPはその特性上、音や光に敏感です。したがって、僕はとても静かな環境に引っ越したことがありますし、室内のライトは白色から昼光色に変更しています。またエネルギーが強い隣人がいた際にも引っ越しました。
このようにとても敏感すぎる特性を持っているために、環境にはとても気を付けなければなりません。
そしてどうしてこのような敏感な気質を持ってしまったのかというと、幼少時代に精神的ストレスに長く晒されている環境に身を置いていたからだといわれています。
その環境により、脳内の早期警戒システムと言われる前帯状皮質が過剰に反応してしまうHSP(高感度性)を獲得しまったわけです。
HSP=神経症ではない
日常生活や睡眠中において「慢性的に神経が高ぶっている」のではなく、新しい刺激や長引く刺激に対して神経が高ぶりやすいのである。
とはいえ、特に理由もないのに常に不安でいるというような神経症的な症状とは違います。
HSPはあくまで「新しい刺激」と「長引く刺激」に対して弱いので、その2点を理解しておくことが大切です。
メリット:理解力・記憶力、デメリット:監視・評価・話すこと
私たちHSPはいろいろな能力に恵まれているのだが、監視されたり、時間を測られたり、評価されたりすると、うまくいかなくなってしまう。HSPは一見ノロマに見えるかもしれないが、時間をかければ、他の人たちよりも深く理解し記憶することができる。(中略)
ただ、神経が高ぶりやすいので、話すことはそれほどうまくないかもしれない。
HSPはその特性上、クリエイティビティに優れており、理解力や記憶力に優れています。しかし、そのぶん時間が掛かるため、瞬発力が弱いです。
また、監視されたり、時間を測られたり、評価されると注意を削がれて、生産性が下がってしまいます。
そして、神経が高ぶるために、多くの人前で話すこと(大勢の人の注目を集めること)は苦手なため、スピーチなどは不得手です。
もちろん、準備に準備を重ねることで、神経の高ぶりを抑えることができるため、準備すれば全く問題はありません。
敏感さを作るのは、遺伝が半分、環境が半分
敏感さを作るのは、遺伝が半分、環境が半分です。では、どんな環境が敏感さを磨くのでしょうか。
もともと敏感に生まれた子どもが、幼いころに安心できない環境(虐待を受けたり、過保護、過干渉にさらされたりするなど)で育てられると、生き抜くために周囲の情報を敏感に察知しようとします。
そして、その敏感性に磨きをかけるわけです。幼い頃から過度な緊張が続いているため、ホルモン分泌の乱れが起きやすく、これが不調の原因となります。長年の癖のようなものですが、気づけば癖は変えられます。(中略)
他人軸な生き方が、病気につながるのです。その理由は自分の気持ちを抑え込むと、心にも体にも悪影響を及ぼすからです。(中略)
結論から言えば、小さい頃、安心できない家庭で育って、ホルモンバランスを崩してしまったのです。
多くの一卵性双生児は違った環境で育っても同じような行動をするという研究報告がある。人の行動はある程度は遺伝的に決定されると言える。(中略)どんな遺伝的特性も、生活していくうちに変わる
半分は遺伝で、もう半分は環境によって決まることが行動遺伝学でも実証されています。
そして大切なことが、環境の大部分は、家庭環境(専門用語では共有環境といいます)よりもそれ以外の学校などでの環境(非共有環境)からの影響で占めているといいます▼
行動遺伝学の研究から導き出された重要な知見の1つは、個人の形質のほとんどは遺伝と非共有環境から成り立っていて、共有環境の影響はほとんど見られないということです。
出典:日本人の9割が知らない遺伝の真実 (SB新書)
一卵性双生児とは、1つの卵子に1つの精子が受精し、卵割の際に2つの受精卵に分かれて生まれた全く同じ遺伝子を持った双子のことです。
そういえば以前、林修先生が東大特進クラスで教えている生徒さん達をこう分析していました▼
「彼らがなぜ100点とは言わないまでも、高得点が出るのかっていうと、周囲の大人たちに大事にされてず〜っと拾ってもらってきている子たちだからなんですよね。」
これは家庭環境というよりも、塾の先生やそこにいる生徒だったり、放課後の過ごし方だったりの環境の部分で決まるということなんでしょうね。
起業家の成功者として有名なホリエモンも、「進学塾に行ったのが人生の転機だった」と上記の意味合いで仰っていました。
神経症になるHSP(ユングの見解)
ユングは、親から受け継いだ「敏感さ」こそが神経症を遺伝させる鍵だと考えた。(中略)注目すべきは、ユングが、「子供時代にトラウマを受けていない敏感な人々は、神経症にならない」と言っていることだ。(中略)
「生まれた時から敏感な子供は特別な幼児期を過ごす、つまり、幼児期の出来事を特別な方法で経験する」と言い、また「強い印象をともなう出来事は、敏感な人々に必ず何らかの爪あとを残す」とも述べている。
心理学界3大巨匠の一人であるユング先生(もう2人はフロイトとアドラー先生)は、子供時代にトラウマを受けているHSPは神経症になると考えています。
これは、ユング先生が原因論に基づいて考えるタイプの心理学者だからだと思います。他にも、子供時代の影響が原因だという記載が本書にはあります。それが下記です▼
困難な子供時代を過ごすとうつ病や不安感になりやすい
HSPについての調査を始めてすぐに、私はHSPには2種類あることに気付いた。うつ状態や不安感を強く訴える人々とあまり訴えない人々だ。このふたつのグループの違いははっきりしている。
前者のグループに属するHSPのほとんど全員が問題の多い子供時代を過ごしている。同じように問題を抱えて子供時代を過ごしても、非HSPの場合はそれほどうつ状態や不安感を訴えない。健全な子供時代を過ごしたHSPについても同様のことが言える。(中略)
困難な子供時代を過ごしたHSPは、大人になってからうつ状態や不安感に苛まれやすい。問題が起こった時の年齢が若ければ若いほど、その問題はたいてい母親などの最初の養育者の行動と深く関係しており、より長期的な影響を及ぼす。
その過去は癒やされるものだが、あなたなりの癒やし方でなければならず、また問題がなかったら得られなかったであろう資質を獲得するようにことによって癒やされる。この資質とは、たとえば、もっと広い視野を持ち、複雑さに耐え、他人に理解を示せるようになるといったものだ。
神経症になる原因を子供時代に結び付けてしまうことは、アドラー心理学に影響を受けた僕個人としては、認めたくありません(自己正当化になるから)。
ちなみにユング先生もHSPだったといいます。
どちらかというと目的論に基づいて考えるアドラー先生の幸福論の考え方を採用したいです。アドラー心理学については、200万部弱の大ベストセラーを紹介した下記の記事をご覧ください▼
HSPと課題の分離=距離を置くこと
アドラー心理学には「課題の分離」という概念があるのですが、それがHSPには非常に有効だと思います。なぜなら、HSPは自分と他人との境界が薄いため、共感力が強く、人の悩みや痛みにも敏感だからです。
敏感すぎる人が、人の影響を受けやすいという気質のクセは変わりません。敏感な人は、小さい頃苦労したせいで、困っている人を見捨てられない傾向があります。
また、自己評価が低いために、困っている人を助けることで、自分の存在価値を証明しようとしている無意識の働きもあります。敏感過ぎる人の方は、そういう自分の癖を知って、人との付き合い方を学ぶ必要があるようです。(中略)
何冊も本を読み、専門家にも相談し、HSPセミナーにも答えを求め、はるばるコロラドまで行ってきました。どの答えも「距離を置くこと」でした。
人の課題に首を突っ込むことは、アドラー心理学では「余計なお世話」になります。自分は自分、他人は他人、この区別が人間関係を上手くやるコツというわけですね。
傷を癒やさないとうつ病や自殺率が高くなる
うつ病というのは外部からの刺激が強すぎる場合、あるいは外敵が強すぎる場合に耐えられる限度を超えて攻撃されないようにする手段だという言葉をご存知ですか。(中略)HSP(敏感過ぎる人)も同様に、不必要な危険に心身をさらさない仕組みが他人以上にしっかりしているということです。
私が調査したところによると、極端に困難な子供時代や思春期を過ごしたHSPは、その過去を受け止め、自分の特徴を理解して傷を癒やすという「仕事」を怠ると、不安感やうつ状態に悩まされたり、自殺する危険性が高くなるようだ。(中略)あなたには「特別なケア」が必要なのだ。
困難な過去はしっかりと受け止めて、ちゃんと自己理解を深めることを怠ると自殺率が高くなるという調査もあるみたいです。
HSPや内向的についての理解を深めたことで救われたので、これにはとても納得しました。
心理学の研究結果の偏見
心理学の研究は人間についての貴重な洞察を与えてくれるし、この本もその研究成果に多く頼っている。しかし心理学も完全ではない。心理学もまた、その背景となっている社会の偏見を反映しているのだ。
心理学は、HSPの人々は不幸せで精神的に不健全で、創造性や知性に欠けているという偏見を反映するような研究結果をたくさん生み出してきた。
上記の著述から、筆者のアーロン先生も心理学について冷静に捉えていることが伺えました。
単にHSPを理解する上で、心理学の論文が多いだけで、盲信するのは危険だと僕も感じています。
リフレーミング(捉え直し)の重要性
とはいえ、原因論が悪いとは思いません。
ユング先生に考えを記載しているHSPの提案者であるアーロン博士の言う通り、子供時代のトラウマをしっかり受け止めて、ポジティブに捉え直すことで消化することが大切だと思います。
HSPの治療対策は瞑想と境界線
さて、HSPは超敏感なために自己認識、リフレーミング、癒やし、外界との関わり方が大切だということがわかりました。
その中でも緊張やストレスを手放す工夫として「瞑想」が脳の癒やしに大変効果があったと下記の本の著者が紹介していました▼
日本はHSPの理解がアメリカより遅れている
上記の本の筆者である苑田純子さんはHSPに悩み、数々の内向型やHSPについての書籍を読み込んで得た知識や対処法をとてもわかりやすくまとめておられます。
アーロン博士の学術的でアメリカ的な内容よりも読みやすくて非常にオススメです。
例えば、アーロン博士はカウンセリングをオススメされていましたが、アメリカと違い日本の医師や心理士はHSPの理解が遅れているために、発達障害や精神障害として扱われてしまうみたいです。
薬を与えられてオシマイで根本的治癒はできませんね。
それではどうしたらいいのか?というと、それが瞑想だといいます。
この本を読んで、瞑想が治癒に効くか試してみたくなり、「瞑想合宿」(HPは怪しいけれど、無料の有名な瞑想合宿10日間)に申し込みました。受講後、レポートしたいと思います。
追記(2018年9月14日):ついに瞑想合宿に行って来ました!凄まじい経験となったので、ぜひ読んでみてください▼
刺激にとらわれない練習=瞑想
「小さいことでクヨクヨするな」と言われても、ダメなのです。そもそも小さいことを拾い、その意味を判断し、安全か危険かを見極めるのがこうしたタイプの特徴なのですから。(中略)
問題なのは、敏感すぎて、自分が苦しくなることと、人との関係がうまくいかない場合があることです。(中略)
脳の特性を利用すれば、ストレスを伝達する連絡路が作られないようにし、既にできてしまっている連絡路も遮断して刺激を脳に伝えないようにすることができます。具体的には瞑想や座禅、強い意志などで、受けた刺激にとらわれない練習を積みます。
仕組みがわかり、何に気を付ければいいかも理解できた。それだけで、こんなに変わるものなのか。そう実感しました。中でも一番効果を感じたのが、瞑想です
HSPは一際ネガティブな出来事に反応してしまうため、ストレスホルモン出っぱなしです。
「クヨクヨしない」「スルーする」「気にしない」と頭で理解していても、それができずにクヨクヨと悩み考え込んでしまうのがHSPです。
これは思考の癖なので仕方ないのですが、瞑想によってその思考のクセを改善できたと苑田さんはいいます。
精神的境界性を作る
精神的境界性の専門家、アーネスト・ハートマンは、その論文の中で、「精神的境界性の厚い人は自分と他人の違いがはっきりしているので、共感性は低め。でも、周囲に巻き込まれないので、集中力は高い。
一方、精神的境界性の薄い人は、共感性が高いが、周囲に巻き込まれるので、集中力に欠ける。現実と空想が混じったり、自分と他人との身体の境界意識が少なかったり、第六感に冴えたりするため、サイキック的、シャーマン的な面を持つ」と説いています。
そして、もう一つの有効な方法として、「境界を作ること」が大切だいいます。例えば著名な研究者たちは下記のようなイメージを頭に描くことで、境界を作っています▼
- 白い光に体が包まれて守られているイメージ(心理学者、テッド・ゼフ)
- 胸に手を当てて、全身が愛で包まれるイメージ(エネルギー療法に詳しい精神科医、ジュディス・オルロフ)
- 毎朝光の繭に包まれているイメージでエネルギーの盾を作り、一日数回「私には強くて明確な境界線がある」というアファメーションを声に出して唱える(HSPの中でも特殊な共感能力者「エンパス」の研究家、ローズ・ローズトュリー)
この境界を作ることで、自分の境遇を受け入れて、防衛的な姿勢を捨てて、安らぎが得られて高次の力によって治癒が起こるようなのです。
確かに人間はプラシーボ効果じゃないですけど、自己暗示や思い込むことで治ったりする生き物ですよね。
プラシーボ効果とは、別名偽薬効果ともいい、全く効果のない薬を与えても病気が治癒してしまうことをいいます。そのメカニズムは解明されていません。
苑田さんの境界イメージ
ちなみに苑田さんの境界イメージは下記です。これによって、治癒効果があったといいます。
大地からエネルギーの柱がドドーンと上がってきて、私をすっぽり包む。そのエネルギーが私の場を整え、もう要らなくなったものは全て解放してくれる。天からもエネルギーの柱がキラキラと降りてきて、私をすっぽり包、場を整え、不要なものを解放する。これを何度か繰り返します。最後に、大地と天からエネルギーが同時にやってきて、私を包み込み守ってくれる。
人によって、安心感を得られる境界イメージは異なると思うので、この辺りは自分用にカスタマイズが求められますね。
無理のしすぎ(情報過多)・ひきこもり(自己防衛)診断チェック
HSPが自分のカラダをケアする上でも二種類の問題が起こる。無理のしすぎか、あるいは内にこもりすぎるか。
「無理のしすぎ」というのは、働きすぎや責任の背負いすぎ、冒険のしすぎなどによって刺激過多になってしまうこと。
「ひきこもり」とは、本当はみんながするのと同じように世の中に出ていきたいのに、必要以上に自己防衛的になってしまうことだ。
HSPは敏感過ぎる特性上、情報過多に陥るか、自己防衛的になってしまうか、の2つの問題に見舞われます。
あなたがどちらの問題に陥りやすいか、下記の設問に答えて、当てはまる番号を控えてみてください▼
- よく神経の高ぶりすぎや、刺激過多や、ストレスの一時的な兆候(赤面したり、心臓がドキドキしたり、呼吸が速くなったり浅くなったりしたり、胃がきりきりしたり、手に汗をかいたり、手が震えたり、急に泣きそうになったり、パニックに陥りそうになったり)を経験する。
- 神経の高ぶりが長期的に続く兆候(苦痛、不安感、消化不良、食欲不振、不眠、睡眠不全)に悩まされる。
- 神経が高ぶりすぎるような状況であっても直面するように努力している。
- 1週間のうち、外出する時間よりも、家にいる時間のほうが長い(睡眠や着替え、入浴などの時間は除く)
- 1週間うち、ひとりで過ごす時間のほうが他の人たちと一緒にいる時間より長い。
- やるのが怖いと思うことでも無理にやろうとする。
- 気が乗らなくても外出する。
- 働きすぎとよく人に言われる。
- 肉体的、精神的、あるいは感情的に「やりすぎた」と感じたら、すぐにストップし、休み、自分に必要なことをする。
- コーヒーやアルコール、薬物などを摂って、過度な神経の高ぶりを保とうとする。
- 暗い劇場の中や、講義の最中でも、それほど興味が湧かなければ、眠くなる。
- 真夜中や朝早く目が覚めると、そのあともう一度眠りに就くことができない。
- 食事の時間をゆっくり取ったり、定期的にカラダを動かしたりということをしない。
質問に答えたら、上記チェックした、4・5・9以外のすべての設問番号の数字を加算してください。その合計から4・5・9にチェックしていた場合、その分を合計から引いてください。
無理のしすぎの最大値は「27」になります。ひきこもりすぎの最大値は「0」です。つまり、1番バランスのいい数値結果が「14」になります。
20以上の方は無理のしすぎの問題があるかもしれませんし、反対に10以下の方はひきこもり過ぎの問題があるので気を付けてください。
ちなみに僕は4・5・7・10だったため、ひきこもり過ぎの8でした。当たってます。。
ひきこもり(自己防衛)の問題点
世の中には自分たちのやり方で社会と折り合って、うまくやっているHSPもたくさんいる。彼らは充分に家で休息をとり、豊かで平安な内的生活を保ちつつ、自分も楽しみながら世の中の役に立つ仕事をしているのだ。(中略)
私たちに必要なのは、ストレスと共に生きる新しい方法を見つけ出すことである。そしてもうひとつ覚えておいてもらいたいのは、動けば動くほど、カラダは楽になっていくということだ。(中略)
世の中のつらさに耐え、自分なりに楽しむ術を見つける方策は、とりあえず世の中に出てみることなのだ。
もう心当たりがありすぎて首がもげるほど頷きました。
というのも僕自身、ブラック企業で月80時間弱にも及ぶ労働(しかも新しい環境かつ折衝メインの仕事)でストレスフルで死にたくなるような経験をしたからです。
また、たくさんの仕事に追われて一杯一杯になってしまった際に、自己防衛本能が大きく働いて、悩んだ経験もあります▼
無理のしすぎ(情報過多)の問題点
HSPが無理をしすぎてしまう別の理由に、彼らの持つ「直感力」がある。HSPの中にはこの直感力によって、次々と創造的なアイデアを思いつく人がいる。こういう人は、そのアイデアすべてを表現しないと気がすまない。
だが、考えてもみてほしい。それは不可能なことだ。どれを優先するかを選ばなくてはいけない。すべてのアイデアを表現しようとするのは傲慢であり、カラダへの虐待となる。
これもよくわかります。よく想像するのですが、そこでいいアイデアや表現したい物事や書籍に触れた場合、それを具現化したい思いに駆られます。
僕の場合は、無理せずにすぐにリラックスすることができましたが、真面目な方は無理してしまうようです。そういう人が、ブラック企業にいいように使用されて、安い給料でたくさん働かされてしまうんでしょうね。
もしコチラに該当した方は、一刻も早く自分のペースで仕事ができる職場への転職をオススメいたします。
転職する際に役立った転職支援サービスについては下記の記事にまとめてあります▼
また、会社を辞めるにあたり勇気づけられた、スティーブ・ジョブズの名言記事もご一読ください▼
バランスを取る方法
あなたはこの「敏感さ」についてできるだけ勉強しなければなりません。ほったらかしにしておいたら、邪魔者になったり言い訳になったりするだけです。私自身、内にひきこもりすぎると、もう一生家でひっそりと暮らしていきたいと思ってしまいます。でも、それではまるで自己破壊です。
とにかく家を出て、世の中と関わること。そして、あとで家に戻ってから、自分の内面と世の中とうまく結合させるようにすること。クリエイティブな人々にはひとりでいる時間が必要ですが、その時間は長すぎてはいけない。世の中から遠ざかりすぎると、現実感や適応力をなくしてしまうからです。
また、歳をとると、社会との接点が限られてくるので、せっかく培ってきた柔軟性を見失ってしまうことがあります。歳をとればとるほど、外に出る必要があるのです。本来は誰でも歳とともに分別が身についてくるものです。自分のあらゆる面を成長させるつもりで生きていけば、敏感さ以外の特質もきっと際だっていくはずです。
その特性故、HSPはひきこもりがちになりますが、あまりに世間から遠ざかることもよくありません。
もちろん一人でいる時間も必要ですが、人間は社会的な生き物だから、HSPといえどもやはり適度に人との交流は非常に大切です。
HSPにとっての休息・リラックス
多くのHSPにとっての遊び、楽しみとは、自分のペースで好きな本を読んだり、庭いじりをしたり、家でゆっくり支度をした食事を落ち着いて食べることだったりする。(中略)
つねに余裕を持って計画すること。もし他の誰かと一緒なら、相手を憤慨させたり傷つけたりしないためにも、あらかじめ「私は途中で抜けるかもしれない」と伝えておくことも大事だ。
社会と関わり、人と交流することは、他の人よりも疲れてしまうのがHSPです。
したがって、読書やゆったり食事をしたり、散歩をしたりする時間を定期的に持ち、自分を充電(メンテナンス)することが、HSPにはとても重要です。
そのため大人数での飲み会に参加する場合は、あらかじめ「途中で抜けるかもしれない」ことを伝えておくことも、HSPの処世術として身につけておいて損はないでしょう。
無理して参加して負の交流になるリスクを最初から想定して動くことが大切です。
HSPの社会生活
アーロン博士によれば、HSPは人見知りと混同されやすいが、それは誤りだといいます。
人見知りとは、見慣れない人に対して不安を感じたり、恥ずかしがったりすることと辞書には記載しています。確かにこれをみると違うことがよくわかります。
人見知りだと思うことは自己欺瞞
「敏感さ」と「人見知り」は混同されることが多い。あなたは本当は敏感な神経システムを持っているだけなのに「君は人見知りがすぎる」などと言われる。「人見知り」は、ある状況に対する反応でしかない。これはあくまで一時的な精神状態であり、あなたの生まれ持った資質ではないのだ。
「敏感さ」は遺伝するが、「人見知り」は遺伝しない。(中略)まわりの人は、本当はあなたが「ひとりでいることを選択している」ということが理解できない。
確かにHSPは敏感な神経システムを持っているがゆえに、初対面の人が苦手です。だから、つい「自分は人見知り」だと思ってしまいます。
しかし、これは敏感という特性がもたらした現象に過ぎないだけなんですよね。
聞き慣れない言葉だと思うのですが、欺瞞とは、欺くこと、騙すことです。つまり、自己欺瞞とは、自分の心に嘘を付くこと。自己正当化することをいいます。
社会と付き合う5つのスキル
- 神経の高ぶりは、恐怖とは別物
- 他のHSPと対話する
- 気持ちを落ち着かせる
- ペルソナ(仮面)を作り、使用する
- 自分の特徴を説明する
アーロン博士は、HSPが社会と付き合うための技術を社会的スキルと呼んでおり、この社会的スキルを身につけることを推奨しています。
詳しくは本書を読んでもらいたいのですが、確かにこれはどれも有効なHSPのスキルだと感じました。
HSPの3割は外向的な人
HSPの70%は、社会的な意味で内向的だといえる。別に人嫌いということではない。(中略)内向的な人の幸せは、社会生活における人間関係の質に大きく左右される。(中略)私が研究したところによると、HSPの30%は外向的な人である。
外向的なHSPは、広い交際範囲を持ち、集団の中にいたり、新しい人と出会うことを好む。おそらく社交的で愛情深い大きな家族か、安全な場所で育ったので、他者は恐れるものではなく、信頼できるものだと見なすようになったのだろう。
ちなみに本書ではHSPと内向的は分けて考察しています。僕の中ではHSP=内向的だったのですが、3割は外向的だというのです。そしてその理由として、またも家庭環境を原因として挙げています。
上述した通り、僕は原因論よりも目的論で考えるアドラー心理学に則って考えたいタイプですが、確かに他者に対して恐れを抱く環境がなければ、安心して初対面の人でも声掛けしたり、輪の中に入っていくことに恐れを抱かなかったかもしれません。
大切なのは、その原因を理由(都合の言い訳)に人見知りという自己欺瞞に陥らないことです。内向的と外向的については、下記の記事に詳しく記載してありますので、ご一読ください▼
HSPの適職・仕事・天職
ここまでHSPについて詳しく記載してきましたが、ここではHSPが向いている仕事を紹介したいと思います。
人生とは、個性化のプロセス
HSPの天職とは何か、を考えてみたい。ユングは「人生とは個性化のプロセスだ」と言っているが、私も彼の考え方に賛同している。「個性化のプロセス」とは、私たちが地上に産みおとされた時ひとりひとりに「問い」が与えられ、それに対する「答え」を見つけていくということだ。(中略)
神話学者のジョセフ・キャンベルは、自分に合った仕事は何かと悩んでいる学生に「喜びに従いなさい」と言ったが、それこそがこの「個性化のプロセス」である。(中略)
HSPにとっての「天職探し」とは、「個人的に意味のある仕事を慎重に探すこと」とも言える。(中略)
「自分の喜び」と「世の中のニーズ」との接点を探すことだ。この接点が見つかれば、あなたは好きなことをしてお金を稼ぐことができるだろう。
ここでユング先生による重要なワードが出てきました。「個性化のプロセス」です。個性化のプロセスとは、「喜びに従うこと」です。
つまり、自分の好きなことで世の中に需要があることが天職ということになります。この辺りのことは、下記の記事にまとめてありますので、ご一読ください▼
HSPに向いてるの仕事
- 家具職人
- ペット美容師
- 心理療法士
- 牧師
- 重機オペレーター(音はうるさいが、人と関わらなくていい)
- 農業
- ライター
- 編集者
- アーチスト(たくさんいる)
- レントゲン技師
- 気象学者
- 植木職人
- 文系の学者
- 会計士
- 電気技師
とはいっても、好きなことで食べていくには、現実問題難しい部分もあると思います。そんな方に向けて、本書では上記の職業を紹介していました。
ちなみに本書は2000年出版なので、今ならWEBデザイナーやプログラマーも向いていると思います。
IT・web業界は将来性も有望ですし、今は未経験でも転職支援サービスを利用すれば、20代30代の若者ならまず転職できるのでいい時代ですね。
IT系に特化したオススメの転職支援サービスについては下記の記事にまとめてありますので、ご覧ください▼
実際に僕はWEBデザイナーとして、ウェブ制作会社に2年間勤めていましたが、その2年間は今までの仕事人生が「なんだったんだろう?」というくらい快適でした。
今は無料でウェブ制作もプログラミングも学べるので、HSPに優しい世の中ですね▼
HSPは自営業(フリーランス)が向いている
自営業(あるいは、大きな組織の中で、完全に自主性を持つこと)はHSP向きの仕事のスタイルのひとつだろう。自分で時間や刺激、つきあう人をコントロールできるからだ。巷にあふれる大小の起業家よりもあなたは良心的だろうし、無茶な賭けに出て失敗するようなことも少ないだろう。
これも納得です。というのも、自営業は自分のペースで仕事ができて、刺激をコントロールできるので、とても快適に働くことができるんですよ。
ウェブ制作会社で働いていた2年間も快適でしたが、フリーランスになってさらに快適になりました。
内向的なHSPは外向的なパートナーと相性抜群?
内向的なHSPの場合、自分のマーケットとつねに接触を保つように努力することが大切だ。そのために、外向的な人をパートナーやアシスタントにするのもいいだろう。パートナーと組んだり、人を雇うことで、余分な刺激を吸収してもらうのは賢い戦略だと思う。
ただ、その場合、あえてあなた自身が外の世界と接触する機会を作り、直接的な情報収集を心がけないと、あなたの長所である直感力が鈍る恐れもある。
これも納得です。ビジネスパートナーにせよ、恋愛のパートナーにせよ、HSPや内向的な人は、逆の資質を持った人と組むと、お互いのメリット・デメリットを補完しあえる関係性が築けるので、オススメです。
HSPは孤独との闘い
著名な芸術家のパーソナリティに関する研究報告のほとんどが、彼らの人格の中心にあるのは「敏感さ」だとしている。しかしこの「敏感さ」はまた不幸にも精神的な病とも関連づけられる。
おそらく、「芸術家であること」の苦しみは、「ひとりで仕事をすること」から来るのだと思う。たったひとりで作品を磨き上げ、ぼんやりとしか見えない創造的ビジョンを追求する孤独な生活。
どんな「ひきこもり」も敏感さを高めるが、外の世界に出て、自分の作品を人に見せたり、演じたり、説明したり、売ったり、批評を読んだり、評価や拒絶を受け入れたりしなければならない時には普段のひきこもりがわざわいして、神経が高ぶってしまうこともある。
ついひきこもりがちになってしまうHSPは、孤独になりがちです。これは僕も痛感し、課題に感じています。
だから、孤独を解消するために、オフ会やオンラインコミュニティなどに参加して、外界との接触回数を意識的に増やしています。こうすることで、神経の高ぶりをコントロールしています。
やはりずっとひきこもると、敏感さが研ぎ澄まされてしまい、神経が高ぶり、精神衛生上よくないんですよね。したがって、無職になることもオススメしません。
HSPの向いてない仕事
多くのHSPは、いわゆる「前線」に立とうとして、耐え難い刺激にさらされることになるのだが、他人の役に立つには、自分が燃え尽きるような仕事をすること以外の方法もあるのだ。
きつい仕事を他の人にさせて、自分が後ろにまわることにHSPは罪悪感を感じてしまいがちだが、世の中には前線に立つことに適しており、またそうしたいと思っている人々がいる。
だったら、彼らに任せてもいいのではないか?前線から離れ、高いところから戦場を見渡し、戦略を立てる人も必要なのだ。(中略)
わざわざ余計なストレスや神経の高ぶりを引き起こす仕事をしなくてもいいはずだ。世の中には、その仕事をあなたよりも楽しみ、もっと上手にできる人がいるのだから。
HSPは刺激に弱いので、刺激にさらされる仕事は向いていません。
僕自身の体験談を話すと、営業や接客など初対面の人との接触がメインの仕事は非常に消耗し、仕事の前日が憂鬱で仕方がありませんでした。
その経験から、働くとは大変で、とても辛いことなんだなあと感じていたのですが、社会人になり、デスクワークがメインのPC仕事をするようになってから、その悩みがなくなり、消耗しなくなったんですよね。
そうです、人には向いている仕事と向いていない仕事があるんですね。
おわりに
HSPという言葉を知ったときに、「これは自分のことだ!」と驚いたことをよく覚えています。
そして、HSPについて理解を深めることで、自分のことを知ることができて、とても人生が生きやすいものになりました。
もしあなたが、HSPの可能性が高いならば、ぜひHSPについての理解を深めることをオススメします。
ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 (SB文庫)
読ませて頂きました。
参考になる事ばかりで嬉しくなりました。
引き続き拝見させていただきます。