【第二新卒】おすすめ転職エージェント特選

好きなことを仕事にすべき理由:幸福の資本論 橘玲【要約・書評】

「好きなことを仕事に」幸福の資本論 橘玲【要約・感想・書評】

こんな疑問や課題に答えます。

橘玲さん(作家)の2017年6月出版『幸福の「資本」論―あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』の内容や評価、感想とは?

幸福な人生設計とはなんだろう?

どうして好きなことを仕事にすることが最強なんだろう?

とも

1959年生まれの橘玲さんは、早稲田大学卒業後、新聞広告の求人欄から零細の出版社に就職し、ずっと編集者として活躍していた方です。橘玲さんは非常に文章が巧みで読みやすく、とても勉強になるのでファンも多く非常に人気の作家さんになります。

特に定評があるのが、社会批評を交えた生き方と働き方に関する著述で、インフルエンサー化しているブロガーさんはほぼ橘玲さんの影響を受けているといっても過言ではないくらいです。インフルエンサーの中のインフルエンサーというような感じですね。

そんな橘玲さんが、今回は「幸せに生きるためには?」をテーマに現代社会の最適な人生設計を本書で提案しているのですが、これが超参考になるので、印象深い箇所や共感した学びの大きい部分を紹介していきたいと思います。幸せになりたい方必読です!

幸福の人生設計

3つの幸福の条件

  • 自由
  • 自己実現
  • 共同体=絆

初めに、橘玲氏は幸福の条件と上記3つを掲げています。自己実現とは、自分の能力(自分がまだ見つけられていない才能や潜在的能力を含めた)を発揮して、何か大きなことを成し遂げる(実現)ことです。

共同体とは、大小含めた人と人との関係性、コミュニティのことですね。そしてこの幸福の3つの条件は、下記の3つのインフラに対応しているといいます。

3つの幸福のインフラ

  • 金融資本
  • 人的資本
  • 社会資本

資本とは「富を生み出す力」のことです。大雑把に、金融資本とはお金のことで、人的資本とは労働力のことで、社会資本とは人脈のことです。幸福の3箇条を見える化したものが下記です。

多くのお金があれば自由を所有していることになり、高い労働力があれば自己実現できる力を所有していることになり、大勢の人脈があればそれだけ共同体や絆を得ていることになります。

富を生み出す方法よりも力の方が大切です。資産というのは資本を投資することで得られるものです。そしてその資産を運用することで利益を上げることができます。

つまり、人生設計の目的は、資金調達と資産運用を最適化して、効率的に「富=幸福」を創造することというのが本書の提案になります。

金融資本を最適化する方法

では初めに金融資本から見ていきたいと思います。

サラリーマンは生涯税金1億円のレールを歩いている

自由を獲得するには、「経済的独立」が必要です。例えば、1億円を所有していれば、多くのサラリーマンのように嫌な仕事を嫌々やるようなことはしないでしょう。ストレスを抱えてまで、わざわざ会社にしがみつく必要がないからです。

そんな1億円ですが、橘玲氏によると、サラリーマンは生涯賃金3〜4億円のうち1億円は税金で消えると警鐘を鳴らしています。これは同著者の「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」でも詳しく記載されており、内容は下記の記事で紹介しています。

参考

お金持ちになる方法:黄金の羽根の拾い方 橘玲【要約・書評】ともろぐ

例えば、サラリーマンは、会社が折半している企業負担分の社会保険料と厚生年金料を加えたら約30%も支払っているというのです。額面では約20%しか天引きされていないように見えますが、会社負担分を含めたらそのくらいになります。

このことは僕も独立してから気付いたのですが、国はサラリーマンの負担を軽く見せるために天引きという巧妙なシステムを導入しているんですね。そして会社が負担している分の社会保障費も当然、人件費、つまり労働力に含まれているのです。

したがって、年収600万円の人の実質年収は年収686万円となり、約200万円くらいは税金として消えている計算になります。

お金と幸福の3つの法則

  • 年収800万円(世帯年収1500万円)までは、収入が増えるほど幸福度は増す。
  • 金融資産1億円までは、資産の額が増えるほど幸福度は増す。
  • 収入と資産が一定額を超えると幸福度は変わらなくなる。

世の中では、お金があれば幸せになれるという認識が一般的ですが、数々の研究によれば、人が幸せを感じるのは年収800万円までといいます。これだけあれば教育、旅行、外食、住居などの生活費を払う上でお金のことを気にしなくて済むからです。

MEMO
限界効用逓減の法則:人は消費するとき、ある値を境に満足度(限界効用低減)を得られなくなります。例えば、1口目のビールと、5杯目に飲むビールでは、人の満足度は違うということです。要は人間は慣れる生き物といういことですね。

お金があれば幸福になるというのは、「お金のことを考えすぎると不幸になる(煩悩)」ということなので、お金のことを考えなくても済む「年収800万円・資産1億円」を達成することが幸せには必要ということになります。僕もこれを目指しています。

ちなみに幸福度に関するデータについては、「日本の幸福度 格差・労働・家族」を参照されています。

ゼロ金利やマイナス金利の意味

政府は、経済活性化とデフレ脱却のために、金融機関が企業への貸し出しや投資に資金を回すように促すようにマイナス金利政策を2016年2月から実施しました。このとき、銀行の銀行である日本銀行の当座預金残高は253兆4290億円で、8.9%にあたる23兆1940億円がマイナス金利適用となりました。

投資家は、ゼロ金利の債権よりも株式や不動産の価格が上がると予想すれば、債権を売却します。すると債権価格は下落し、金利が上昇します。逆にいえば、株や不動産に投資価値がないと考えれば、マイナス金利でも債権に投資した方が得と投資家は判断します。

MEMO
個人投資家だけでなく、年金基金や生命保険会社などの機関投資家、投資信託やヘッジファンドなどのプロの投資家も含まれます。

金融資産は海外を含ませる

2013年4月から始まった日銀の金融緩和政策は、お金の供給を増やして、お金の価値を下げさせて、さらに満期の長いETF(上場投資信託)などのリスクが大きい資産を購入するなどして物価の価値を2%向上させる政策を実施し、景気を刺激しました。

しかし、未だに物価は上昇せず、好景気とまではいえない状況が続いています。そのため、通貨の価値は相対的なものなので、金融資産はドルやユーロなどの外貨預金に分散しておいたほうがいいと提言しています。

株式投資は世界株式(1554)1択

もしくは、市場経済の長期的な拡大を前提とするならば、投資対象を選別する費用対効果も含めて東証の「上場インデックス世界株式(1554)」に積立投資することをお勧めしています。

さらに、証券会社や銀行の店頭で販売されている投資信託と違い、株式市場に上場しているETFなので、販売手数料は不要で、売買手数料とインデックスファンドの運用手数料しか掛かりません。

人的資本のルール

ノーベル経済学賞を受賞したアメリカの経済学者ゲーリー・ベッカーは、ひとはそれぞれ「人的資本(ヒューマンキャピタル)」を持っており、それを労働市場に投資して日々の糧となる収益(給料)を得ているのだと考えました。

一般的に多くの人は、自分の労働力をサラリーマンとして会社に提供することで、対価として給料というリターンを得ています。つまり、労働市場も金融市場と同じ考えで、僕らは自分の時間やスキルを投資して回収することで生活しているのです。

金融取引のルールは2つあります。

  • 利益は大きければ大きいほどいい
  • 同じ利益ならリスクの小さい方がいい

また、人的資本の投資についても同じく2つのルールがあります。

  • 収入は多ければ多いほどいい
  • 同じ収入ならリスクの小さい(安定)方がいい

ここまでは金融取引と同じです。しかし、人的資本の投資には金融取引にはない非常に際立った重要な特徴があると橘玲氏はいいます。

自己実現できる仕事の価値

  • 同じ収入なら(あるいは収入が少なくても)自己実現できる仕事がいい

自己実現とは、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱した「欲求の五段階説」の中で最も高次な欲求のことです。橘玲氏は自己実現を「かげがえのない自分になること」と定義しています。

こうした性質から、私たちは無意識のうちに仕事について2つの目標を設定しています。

  • 人的資本からより多くの富を手に入れる
  • 人的資本を使って自己実現する

これが人的資本を最適化させるために無意識のうちに意識している目標です。

新しい働き方3箇条

  • 知識社会化
  • グローバル化
  • リベラル化

次に社会を現状認識してみましょう。AI(人工知能)やICT(情報通信技術)に代表される「テクノロジー」の進化が現代社会のキーワードになります。そのため世界はフラット化し、国と国との境界がなくなりつつあります。

そうです、グローバル化です。そんなグローバル市場のなかで競争して勝ち抜くには、優秀な人材獲得が重要で、採用にあたり人材を肌の色や国籍で差別せず、あらゆる社員を平等に扱うリベラルな会社が好まれるようになってきているわけです。

リベラル化への反動がトランプ現象

そのような背景から「知識社会化=グローバル化=リベラル化」が三位一体構造で進み、そこから脱落する人が増えて、中流が崩壊し、超格差社会となって、その怒りが社会の「保守化=右傾化(トランプ現象)」を招いています。

とはいえ、将棋や囲碁のチャンピオンを打ち負かすようなAIの進化に象徴されるテクノロジーの発展は、止めることはできません。したがって、社会の軋轢を生みながらも知識社会化が加速度的に進展していきます。ということは?

企業であれ、個人であれ、知識社会に適応できなければ脱落するだけだ。

です。閉鎖的な雇用構造が蔓延る日本企業では、このような状況から、グーグルやアマゾンのような世界的大企業に負け続ける一方で、未だに日本の多くの大企業は、正社員や公務員の既得権を守るために、なかなか雇用改革が進まず、変わりません。

したがって、知識社会化に適応できない日本の会社の内側で社内特化のスキルを磨くよりも、その外側で「人的資本を育てることが重要だ」と橘玲氏は主張しています。

仰る通りで、僕も日本の会社にしがみつく戦略よりも、自分の能力にコミットする戦略を常々意識してキャリアを考えてきました。本書を読むことで、こうした感覚的に意識して頭の中で考えたことが言語化されて、とても頭の整理に役立ちました。

参考

新卒入社1ヶ月で会社を退職した理由ともろぐ

では、このような社会背景を踏まえた上で、幸せになれるキャリア戦略とは、どのような働き方でしょうか?

マックジョブとクリエイティブクラス

  • マックジョブ:定型化された仕事で、会社のバックオフィス部門(事務職)やものづくりの現場
  • クリエイティブクラス:仕事の価値が時給計算できない仕事

これはクリントン政権で労働長官を勤めた経済学者ロバート・ライシュが1991年に「The Work of Nations」の中で、グローバル競争によって仕事はこの2種類に二極化すると予言したもので、実際に現代社会はそうなりつつあります。

そして時給計算できないクリエイティブクラスにも、拡張性の有無で、収益性が変わります。例えばその場にいる顧客にしかコンテンツを届けられない劇団員よりも、全国の顧客に届けられる役者の方が、儲かります。

クリエイティブクラスマックジョブ
拡張可能な仕事:クリエイター拡張不可能な仕事:スペシャリストマニュアル化された拡張不可能な仕事:バックオフィス
果ての国月並みの国

この拡張性による富の総量の差は、金融業界の有名人ニコラス・タレブが全米で150万部売れた大ベストセラー本「ブラック・スワン」の中で提唱したもので、拡張性のない仕事を「月並みの国」、拡張性のある仕事を「果ての国」と呼んでいます。

一攫千金を狙うなら、クリエイターを選択するのがベストですが、「ブラックスワン(極めて稀な成功)」に出会えるのは一握りで、スペシャリストは高給な分、強い重圧や負担が掛かり、マックジョブを選択する人も多いのが現状です。

だからといって、マックジョブが悪いということでもなく、安心を重視している人にとってはいい選択です。そしてマックジョブでも自己実現はできることが数々の研究成果から判明されています。

マックジョブでも自己実現できる

働くことを「労働とみなす」ひとたちは、本質的にそれが必要悪であり、目標達成のための手段(生計を立てるために必要なもの)で、ポジティブでもなければ精神的な見返りもないと考えています。彼らが働くのは、仕事以外の時間を楽しむためです。

働くことを「キャリアとみなす」ひとたちは、自分を成長させるためのものとして仕事をとらえています。彼らは、仕事と人生を一体化しようとまでは考えてませんが、より多くの収入や社会的ステイタスを得たいという野心を持ち、多くの時間とエネルギーをキャリアアップに注ぎ込みます。

働くことを「天職とみなす」ひとたちは、自分の仕事に充実感や社会的意義を見出し、金銭的な見返りや出世のためではなく、楽しいから働いています。彼らは仕事と人生を切り離すことができず、生涯現役で働くのを当然と考えるでしょう。

幸福研究の第一人者である心理学者のソニア・リュボミアスキーの研究「幸せがずっと続く12の行動習慣」によれば、結論としては、マックジョブでも自己実現できます。その違いは上記引用箇所の仕事を労働とみなすか?天職とみなすか?でした。

つまり、マックジョブでも、仕事を意義あるものとみなして、マニュアルにないことも積極的にやることで、2016年上半期に芥川賞を受賞した「コンビニ人間」のように自己実現して、楽しく幸福に働くことができるのです。

しかしマックジョブは時間給のため、生活のために仕方なく(嫌々)働く人も、自己実現のために献身的に働く(幸福な)人も、給料が同じなのです。つまり、意図的かは別として、労働者のやりがいを経営者は「搾取」している構造になるのです。

人的資本を最適化する方法

人的資本を最適化させる方法について深掘りしてみましょう。

多くの日本人が過労死する理由

アメリカの心理学者マーティン・セリグマンはマズローの思想を受け継ぎ、ネガティブな心理よりもポジティブな心理に重きを置くことが幸福への扉を開ける鍵だとしてポジティブ心理学を創始します。のちにアメリカ心理学会長になるセリグマンを一躍有名にしたのが、「学習性無力感」の実験でした。(中略)

セリグマンの「学習性無力感」の実験は、監禁された状態で長期わたって苦痛にさらされると、心に重大な損傷を被ることを示しています。そして閉鎖系の伽藍空間である日本の会社は、仕事につまずいたり周囲との人間関係で折り合えなくなると、たちまちこの条件を満たしてしまうのです。

2015年に電通社員が過労死したことが話題になりましたが、そのとき多くの人が「どうして辞めなかったのか?」と疑問の声が挙がりました。学習性無力感の実験結果は、長期間ストレスを受け続けることで刺激に対して反応できなくなることを示唆しています。

終身雇用や年功序列制度を導入している日本企業は、ゼネラリストばかりでスペシャリストが育っていないため、知識社会化が進み高度な仕事レベルが求められているにも関わらず、不適材不適所の人間同士が集まり、長時間労働化が進み、うつ病が増えています。

企業のメンタルヘルス講習のパイオニアである見波利幸氏は「心が折れる職場」で、うつ病になる一番の理由が「仕事に対して自分の能力が見合っていなく、周囲に自分の能力不足が露呈すること」だといいます。

サラリーマンは職業ではなく身分である

サラリーマンという働き方は世界で日本しかありません。このサラリーマンは、専門的な仕事をする「スペシャリスト」と「マックジョブ」であるバックオフィスしかやらない社員を同じように扱うため、能力のあるスペシャリストは退職していきます。

こうして優秀な人は辞めて、日本の会社では、ゼネラリストと呼ばれる中途半端な人材ばかりで構成されています。そこで経営者はコストを下げるために一部のバックオフィスの社員を非正規化することで対応しました。これが身分差別の成り立ちです。

こうした状況を変えようと「高度プロフェッショナル制度」が提案され、日本の会社でも欧米諸国と同じようにスペシャリストとバックオフィスを明確に分けて、スペシャリストにグローバル基準の報酬と待遇を提供できるように政府は動いています。

しかし、この法案は成果に応じた高給が期待できるにも関わらず、反対されています。多くのサラリーマンはスペシャルなものなどなにも持ち合わせていないことが暴露されるだけなので「反対することが合理的になっている」と橘玲さんはいいます。

先進国で一番労働生産性が低い日本

日本経済のいちばんの問題は労働生産性が低いことで、OECD34ヶ国中21位、先進7ヶ国のなかではずっと最下位です。日本人は過労死するほど働いていますが、一人あたりの労働者が生み出す富(付加価値)は7万2994ドル(約768万円)で、アメリカの労働者(11万6817ドル)の7割以下しかありません(2014年)。(中略)

知識社会化・グローバル化に適応不全を起こしている日本的経営=雇用は、長時間(サービス残業で)働かされてもぜんぜん儲からず、経営者は部下を能力がないと罵倒し、社員は会社を憎み、国際社会から「差別」だと批判され、日本人の人生はどんどん不幸になるばかりで、なにひとついいことがありません。

そのうえメディアが「正社員でなければ人生終わりだ」と若者を恫喝したことで、社畜礼賛の風潮に乗って、正社員の若者にサービス残業させて最低賃金以下で使い倒す「ブラック企業」が大量に出現しました。日本的雇用では、終身雇用で生活が安定する代償として会社への忠誠が求められるのですが、ブラック企業は雇用の義務を放棄して滅私奉公のみを強要するのです。

ブラック企業で酷使されている人の典型的なパターンが、「短期離職したら人生終わりだ」という思い込みです。そして正社員であることを非常に重視しており、メディアからネガティブイメージを植え付けられている人が多いです。

ゼネラリストとしてピラミッドの組織の頂点を目指す会社組織では、30代後半で出世街道の「選別」は終わっているといいます。だとしたら、定年までスペシャルなものを持たないで、閉鎖的な会社生活に(しがみつき)耐えなければなりません。

そのようなキャリア戦略が現代において最適ではないことは、火を見るより明らかです。正直、僕が新卒一ヶ月で退職した際は右も左もわからない状態でしたが、あれから5年以上経過した今なら自信を持っていえます。会社を損切りして正解でした。

ブラック企業を2回辞めてようやくホワイト企業に就職することができた僕が、当時知りたかった就職・転職サービスについては、下記の記事まとめてありますので、こちらを参考にしてみてください。嫌な仕事をやっていてもこれからは生きていけません。

参考

【第二新卒】転職エージェント・比較・評判・口コミともろぐ

能力が高い人間は個人学習を好む

これまで私は、「やればできる」ではなく「やってもできない」が人間の本性だと繰り返し述べてきました。なぜならひとは、「好きなことしか熱中できない」からです。すなわち、嫌いなことはどんなに努力してもやれるようにはならないのです。このようにいうと、「石の上にも三年」というじゃないか、との反論があるかもしれません。しかし、(最近はあまり流行らなくなった)この格言も同じことをいっています。3年も座っていられるのは、「好き」だからです。そうでなければ、誰もそんな拷問に耐えられないでしょう。

アメリカの心理学者アンダース・エリクソンは、ベルリン芸術大学の協力を得て、バイオリン専攻の学生をスキル別に3つのグループに分けて、時間の使い方を調査したところ、上位グループほど練習に時間を費やしていることがわかりました。

そして、そのほとんどが「個人学習」でした。その調査結果に対しての橘玲氏の所感にも納得です。人生100年時代の僕らは一生働く必要があります。そんな時代で、ストレスなくず〜っと没頭できることは「好きなこと」じゃないとできません。

堀江貴文さんやグーグルやマッキンゼーや楽天などの勤務経験のある尾原和啓さんも同じことを主張しています。

参考

堀江貴文本「好きなことだけで生きていく」の後悔しない働き方ともろぐ

参考

尾原和啓本「モチベーション革命」稼ぐために働かない方法ともろぐ

キャラクター競争(差別化)

先祖は長い歴史の中で「差別化」することで異性を獲得し、子孫を残してきたといいます。ここでいう差別化とは「キャラクター」のことです。キャラ立ちして目立ち、他者から評価されることで、異性を獲得して子孫を残すことができたというわけです。

では現代社会でキャラ立ち(差別化)するには、どうすればいいのか?ちょっと長いですが、とても大切な人的資本の内容ですので、紹介します。

好きなことに人的資本のすべてを投入する。これだけです。勉強であれ、スポーツであれ、歌や踊りであれ、なぜ好きになるかというと、それが自分にとって得意なことで、それに熱中することでより目立てるようになるからです。なぜ得意なのかというと、そこに遺伝的な差異があるからですが、それは一般に思われているよりもずっと小さな違いでかまいません。

5〜6人のグループのなかでいちばん足が速いというだけでスポーツが好きになるし、歌がちょっと上手いだけでアイドルを目指すかもしれません。そしてこの(遺伝的・生得的な)わずかなちがいが増幅して、思春期になる頃には「好きなこと」がはっきり分かれるようになり、それぞれの「キャラ」が固定化します。これを私たちは、人格と呼んでいるのです。

なぜ、わずかなちがいが増幅するのでしょうか。これは複雑系でいうバタフライ効果(ブラジルで蝶が羽ばたくとテキサスで竜巻が起こる)ですが、私たちが「得意なことが楽しい」とプログラミングされているのだとすれば、初期値のわずかな優位性の差から思春期までにはっきりとした「個性」が生じることに面倒な説明は必要ないでしょう。こうして「好きなことが得意なこと」になり、それ以外のことは「やってもできない」のです。

そう考えれば、私たちが自分に合ったプロフェッショナルを獲得する戦略はたったひとつしかありません。それは仕事のなかで自分の好きなことを見つけ、そこにすべての時間とエネルギーを投入することです。なぜなら、誰もがものごころついたときからそれだけをやってきたのですから。

生き残るために僕らは知らず知らずのうちに得意なこと(人より秀でている)に熱中するようになります。それは生物が生き残る上で大切なことなので、無意識下にプログラミングされているという説には僕も非常に納得します。

というのも、学生時代に僕は吉本興業の養成所に入学したことがあるのですが、そこに来ている人たちは中学高校時代にクラスの人気者だった人が多いんですよね。つまり、クラスの中心人物で、よくクラスを笑わせていた人が吉本に入るのです。

また、ジャニーズ事務所や芸能事務所に、イケメンや美女が応募するのも非常に多いですよね。彼らはルックスに自信を持っていて、それが強み(得意)ということを無意識のうちに自覚して、その道を選択していると思うのです。

ただここで問題があります。それは競合の存在です。ローカルでは秀でていても、グローバルでは弱者ということは往々にしてあります。生物学者の稲垣栄洋氏は『弱者の戦略』の中で、「生物の世界の法則ではナンバーワンしか生きられない」と断言しています。

弱者の3つの戦略

  • 小さな土俵で勝負する
  • 複雑さを味方につける
  • 変化を好む

人間の好きなことは大抵被ります。例えば、ラーメン好きとかだと競合が多すぎるので、TVチャンピオンとかの優勝できるぐらいの熱量がないと食べていけません。しかし、東京限定や、塩ラーメン限定と細分化するにつれて、勝ちやすくなります。

さらに複雑なゲームならば、大企業が得意な大量生産を封じることができるので、個人が勝ちやすくなります。そして変化です。大きな組織ほど変化に対応しづらくなるので、小回りが効く個人事業主や家族経営が強いのです。

世の中に会社がある理由

近代経済学の祖アダム・スミスが「分業した方が効率がいい」といいました。しかし、ノーベル経済学賞を受賞したロナルド・コースは「組織による分業は効率的だが、それが常に市場の効率性を上回るわけでない」といいます。

なぜなら、巨大化した組織内部の「取引コスト」は、市場取引以上に法外に高いからです。だから、アップル社は製造部門をすべて外部化しているのです。組織が複雑になるほど幾何級数的に大きくなることを、ロナルド・コースは見抜いていたのです。

取引コスト理論

取引コスト理論とは「標準化はコスト減、カスタマイズはコスト増を招く」です。これを徹底して利潤を最大化させたのがマクドナルドです。企業以外でも、軍隊など戦争のときに兵士が命令に従わずに好き勝手なことをしたら部隊は大混乱に陥ります。

そのため、巨大組織は構成員の個性を徹底的に抑圧し、ロボットのように動かすことによってはじめて機能するわけです。その一方でこうした旧態依然とした組織は、時代の変化に適応できずに市場から撤退を余儀なくされます。

そうです、多くの日本企業ですね。画一的な人材を育てるべくして、教育が個人個人のカスタマイズされた教育ではなくて、標準化されて、さらにお上の支持に従わせることを善とした教育を学生時代に叩き込むことによって、兵隊を作っているのです。

日本教育の負の側面については、堀江貴文氏の下記の書籍を紹介した記事をご一読ください。

参考

堀江貴文本「すべての教育は洗脳である」が脱社畜の方法ともろぐ

イノベーションは外注(アウトソーシング)

そこでマクドナルドなど大企業は、時代の変化に適応するために、通常の組織とは別に独立した小グループにイノベーションを任せることで対応しましたが、自由奔放すぎても市場に合わなく、新たなコストになることも多かったそうです。

そこで今では、研究開発やマーケティング、セールス部門と連携し、ユーザーがお金を払う製品に結びつくように、市場に合わせるように少し管理されています。このように管理主義と革新性というトレードオフの関係性に手こずっているのが現状です。

  • ブルーオーシャンはリスクが高いため手を出せない場合が多い
  • リスクを取って成功しても、正社員の互助会である社員はメリットが少ない

しかし、橘玲氏は解決策を2つ提示しています。

  • 経営者がリスクを取ってイノベーションを目指すこと
  • イノベーションを全てアウトソーシングすること

経営者ならリスクを取るインセンティブが働きますし、実際にイノベーションを起こしている企業はトップが優秀でリスクを恐れずに面白いことに積極的に挑戦する人が多いです。最近ではZOZOTOWNの前澤友作さんとかは該当しますよね。

また、大企業はイノベーションを最初から放棄して、ベンチャー投資して、成果が出れば買収という戦略を取っていますよね。これはソフトバンクの孫正義さんが該当します。このように官僚化して定型化された業務以外できなれば外注するのが世界でも一緒です。

参考

経団連、この恐るべき同質集団日本経済新聞

最近だと経団連の「日本人、男性、高齢者、有名大学卒」という同じ属性で占められている同質性が話題になりました。このように同じような人材を集めても、高度化し複雑化した知識社会では、イノベーティブな仕事は外注化で対応するしかなくなっているのです。

組織に対して優位性を持つ3つの基本戦略

  • 好きなことに人的資本のすべてを投入する
  • 好きなことをマネタイズ(ビジネス化)できるニッチを見つける。
  • 官僚化した組織との取引から収益を獲得する

このような社会背景から、良質なコンテンツやスキルを持つ個人や事務所の立場が強くなり、注目を集めています。僕の周りでも、フリーランスとして大金を稼いでいる人というのは上記の3つの戦略を取っている人が多いです。

プログラミングスキルのある人は、アプリやサービスを作って1発当てて優雅に暮らしていますし、マーケティングスキルのある人は、ブログやサイトやLPを作って1発当てて優雅に暮らしています。

あなたがまだ20代だとして、35歳までにやらなければならないのは、試行錯誤によって自分のプロフェッショナル(好きなこと)を実現できるニッチを見つけることです。会社のなかで専門性を活かせるごく少数の恵まれたひとを除けば、人生のどこかの時点で組織の外に出て、知識や技術、コンテンツのちからで大組織と取引する「フリーエージェント」化が、高度化する知識社会の基本戦略になるでしょう。定年という「強制解雇」によって、誰もがいずれは会社を追い出される運命なのですから。

社会資本を最適化する方法

社会資本には、とても大切な役割があります。それは、「幸福」は社会資本からしか生まれないということです。

つながりが幸福感を生む理由は「長い進化の過程でヒトがそのようにつくられたから」といいます。例えば人に喜怒哀楽があるのも、生き残るために仲間からいいように扱われないようにする「進化論的合理性」があるからです。

幸福という感情も同様に、家族や仲間との強いつながりを感じることで、共同体のなかで高い評価を得たときに幸福感を感じるようにそのプログラムが遺伝子に組み込まれているんですね。

では、その前提を踏まえた上で、私たちが生活している社会空間を認識してみます。

3つの社会空間

  • 政治空間(会社、学校)
  • 愛情空間
  • 貨幣空間

何事も課題の解決はまず初めに現状認識が重要です。まず、会社や学校の政治空間の場では、イジメやパワハラなどが蔓延しており、牧歌的な理想郷どころか殺伐とした空間です。

一方で愛情空間は2人から最大でも5人くらいの小さい人間関係で、半径10メートルで収まる小さい世界です。ところが、この小さい世界が私たちの人生の価値の大半を占めています。小説でも映画でも「愛」をテーマにしているのはこれが理由です。

そして、貨幣空間はお金を媒体にして繋がれるので原理的に無限大です。ここで面白いのが、小さい空間ほど私たちは人生の価値が高いということです。進化論的に自分の子どもを特別扱いすることで淘汰させずに生き延びてきたのが私たちだからです。

MEMO
狩猟採集時代、人類の祖先は群れをつくって身を守って生き延びてきたため、群れから追放されることは死を意味しました。そのため、人は一人では生きていけないのです。これが人は社会的動物だといわれる所以です。

それに比べて貨幣空間は、「農耕」と「交易」によって成立したわずか1万数千年の歴史しかありません。したがって、人類の大半を占めていた愛情空間の価値の方が高く、愛情空間を最適化させることが幸せに繋がるのです。

友達の価値は平等体験

地方のマイルドヤンキーは、乏しい金融資産と人的資本を「イツメン」という社会資本で補っています。彼らが絶対に地元を離れようとしないのは、同じ空気を共有できなければ友情が枯れてしまうことを知っているからです。友達とは、時間軸だけでなく空間的にも排他的な人間関係なのです。(中略)

地球上には何十億人ものひとが生きていますが、私たちはこの極めて限定的な条件を満たしたひととしか友達になれません。そのうえ仮に友達になったとしても、それを維持するのはもっと難しいですから、「友達」がいること自体がひとつの奇跡です。(中略)

友達関係の核にあるものは何か。それを一言でいうなら「平等体験」です。(中略)クラスという新しい共同体のなかで、みんなが横一列に並んでいるという主観的な経験です。これが平等体験で、お互いの核にこれがあるからこそ「友情」が成立します。(中略)日本の会社もそれを知っているからこそ、新卒一括採用にこだわり、中途入社を嫌がり、同期によって階層化された社員共同体を維持しようと腐心してきました。(中略)

富(金融資産)が大きくなると、すべての人間関係に金銭が介在するようになって友情は壊れていきます。地方のマイルドヤンキーが友情を維持できるのは、全員が平等に貧しいからです。

一方で、友情空間も大切です。マイルドヤンキーと呼ばれる人たちは、乏しい金融資産でも、人的資本が豊富なために、とても幸福度が高いといいます。だから、決して都内には上京してこないのです。

友達を維持するのはその性質上、非常に難しいです。したがって、自営業で友達が少ないというのは全然普通なんですね。友達を作るには平等体験が大切だと橘玲氏はいいますが、僕や周囲を見てみても継続する友人知人は同期や同級生が多いですね。

政治空間(権力ゲーム)と貨幣空間(市場ゲーム)

  • 相手から奪う(権力ゲーム)
  • 交易する(市場ゲーム)

また、市場のゲームを「グローバリズム」とか「ネオリベ」といって嫌悪する人がたくさんいますが、戦争や内乱のような「人殺し」は政治空間でしか起こりません。この辺りは、タモリさんの人間関係に関する記事にも記載しました。

参考

タモリ学「人間関係をうまくやるには偽善以外ない」ともろぐ

自己決定権が幸福度を決める

自分の人生をどの程度自由に動かすことができるか

「自分の人生をどの程度自由に動かすことができるか」の国際比較

アメリカの政治学者ロナルド・イングルハートなどが中心となって1980年代から5年ごとに実施している「世界価値観調査」は、もっとも信頼度が高い国際比較調査とされているのですが、日本は幸福度を決める自己決定権が最下位となっています。

日本人は遺伝子的に97%はネガティブなことに対して強い注意バイアスを保有

  • SS型(遺伝子が短い):セロトニンを運搬する能力が低い
  • SL型:セロトニンを運搬する能力が普通
  • LL型(遺伝子が長い):セロトニンを運搬する能力が高い

幸福ホルモンと言われるセロトニンを運搬する遺伝子「セロトニントランスポーター」にはS型(低い)とL型(高い)があることがわかっていて、このセロトニンを運搬する能力が低いS型を保有している日本人が97%と調査で明らかになっています。

アフリカ人はLL型が多く、白人、アジア系と少なくなります。これを研究したのが、オックスフォード大学感情神経科学センターのエレーヌ・フォックスで、詳細は「脳科学は人格を変えられるか? 」で綴られています。

また、SS型やSL型の遺伝子は「ストレスの高い出来事と結びつくことで有害な結果を引き起こす」ということが、判明しています。さらにポジティブな画像とネガティブな画像による実験では、幸福に関しても敏感なことが判明しました。

セロトニン遺伝子の発現量が低い人はまわりの環境に影響されて反応しやすく、虐待を受けたりまわりから支援を得られなかったりしたときは深刻な負の影響を被りますが、その一方で素晴らしい環境に恵まれればそこから大きな利益を引き出せるのです。そしてこのことから、なぜL型の遺伝子からS型が現れたのかも説明できます。

それは農耕社会のなかで、閉鎖的な共同体の親密でストレスフルな人間関係にうまく適応するのに役立ったからでしょう。これが(いち早く農耕文明に移行した)ヨーロッパや東アジアにS型の遺伝子が多く、アフリカにL型遺伝子が多く残っている理由です。(中略)

脳科学によれば、この性格は社会的・文化的な土壌から生まれるのではなく、環境(人間関係)に対して極端に反応する遺伝子型によってもたらされるのです。これは、遺伝的な基盤を持つ日本人の生得的な性格が、常に他者の目を気にしなければ生きていけない社会や文化をつくりあげたということでもあります。(中略)そのためには、日本人の遺伝的特徴を前提として自分の人生を設計しなければなりません。

日本人の遺伝的特徴を前提として自分の人生設計をしなければならないということは、非常に共感しました。というのも僕自身「HSP」という超敏感な気質を持っているため、その気質を踏まえた上で人生戦略を立てることの重要性を痛いほど痛感しているからです。

5人に1人は「HSP(超敏感人間)」です。しかし、「幸福と不幸に敏感なS型遺伝子を保有している日本人が97%もいる」ということを知って、敏感さの強弱はあるにせよ、同じような人が沢山いることを知り、驚きました。

敏感気質に心当たりのある方は、ぜひ下記の記事をご一読ください。この気質を知っているか知らないかで、だいぶ人生が生きやすくなります。

参考

HSP(超敏感人間)診断 適職チェック【職業・仕事】ともろぐ

幸福の人生設計「フリーエージェント戦略」

人と人との繋がりを可視化して研究した「つながり 社会的ネットワークの驚くべき力」によれば、幸福なひとはネットワークの本線(幹)の部分の多く、不幸なひとは支線(枝)の末端部に集まる傾向があることが判明しました。

幸福の伝染効果はきわめて大きので、行動科学の研究者であるポール・ドーランは、「どうすれば幸せになれるか」「もっとセックスできるか」「体重を減らせるか」と質問されたとき、(半分ジョークで)次のように答えるといいます。

「幸せな人と友人になり、不幸な友人とは縁を切りなさい。たくさんセックスしている人と友人になり、あまりセックスしていない友人とは縁を切りなさい。痩せた人と友人になり、太りすぎの友人とは縁を切りなさい」

政治空間のしがらみにとらわれることのない、「A」や「X」がグローバルな貨幣空間のなかで、ネットワークを最大限に広げていくことができて、さらに幸福度も高い生き方がフリーエージェント(個人事業主・フリーランス)ということになります。

人間関係を捨てれば悟りと同じ

仏教における煩悩は、突き詰めればすべて人間関係(社会資本)から生じます。仏陀は煩悩から自由になることを悟りと呼び、瞑想(マインドフルネス)などさまざまな精神技法を提唱しました。しかし考えてみれば、究極のソロ充は、恋人や家族とのつながりを捨てる代わりに人間関係が生み出す面倒なこと=煩悩から自由になれるわけですから、これは仏教の悟りと同じです。欧米や日本のような先進国では、ゆたかさ(お金)とテクノロジーによって、いっさいの修行なしに誰でも「悟り」の境地に達することができるようになったのです。

超ソロ社会」によれば、2035年には日本の人口の半分が独身になります。これは「すべての社会資本を政治空間から貨幣空間に置き換えたひとたち」です。このように煩悩から自由になるために人間関係を捨てる人たちが今増えています。

幸福は人との繋がりからしか得られないといいますが、人と繋がることで不幸にもなるのだから、人と繋がらないことで不幸を回避する生き方がこれから益々増えていくというわけです。

とはいえ、橘玲氏は人的資本を完全に0にするのではなく、友人知人などの友情空間だけ貨幣空間に置き換えて、家族や恋人などの愛情空間特化の人間関係にミニマル化すれば、強い絆も得られる「幸福な人生の最適ポートフォリオ」と述べています。

僕も子供が欲しいというものあり、人間関係は愛情空間に特化し、フリーエージェント(フリーランス・個人事業主)となって人的資本に集中投資する戦略を取っています。そうすれば自ずと金融資本も蓄えられますから、後は分散・積立投資ですね。

フリーエージェントが幸せな理由

幸福の研究では、離婚や愛するひととの死別より、毎日の満員電車の長時間通勤の方がひとを不幸にするという結果が繰り返し示されています。これは一見、常識に反するようですが、嫌な上司(同僚・部下)と毎日顔を合わせなくてはならないことを考えれば納得するひとも多いでしょう。誰もが身に覚えがあるでしょうが、世の中には一定数(経験的には5%)の困ったひとがいます。彼らはいま、教育の現場ではモンスターペアレント、医療現場ではモンスターペイシェントとして社会問題になっていて、その一部はサイコパスと呼ばれる精神病質者です。幸福感を毀損するいちばんの要因は、こうしたひとたちと関係を持たざるを得なくなることです。

幸福の法則では、一度の強い痛みよりも、継続力のある弱い痛みの方が幸福度を大きく下げることがわかっています。つまり、ある一定数の確率で存在する攻撃的なコミュニケーションしかできない人間と閉鎖的な空間で過ごすことは命取りになります。

そして、先述したとおり、私たち日本人は幸福ホルモンであるセロトニンを運搬する遺伝子が短いS型を97%の人が保有している、感受性の強い日本人です。そのため、嫌われる勇気が大ベストセラーになるのですが、アドラー心理学は習得が難しいです。

参考

嫌われる勇気まとめ アドラー心理学9選【要約・感想・書評】ともろぐ

だからこそ、人間関係を選べる働き方が最強だと橘玲氏は結論付けます。アル・ゴア米副大統領の主席スピーチライターから作家に転じたダニエル・ピンクも著書「フリーエージェント社会の到来」の中で予言しています。

まとめ

最後に橘玲氏は幸福な人生の最適戦略を以下の3つに要約しました。

  • 金融資産:「経済的独立」を実現すれば、金銭的な不安から解放され、自由な人生を手にすることができる。
  • 人的資本:子供の頃のキャラを天職とすることで、「本当の自分」として自己実現できる。
  • 社会資本:政治空間から貨幣空間に移ることで人間関係を選択できるようになる。

そして、結論を端的に3つにまとめました。

  • 金融資産は分散投資する。
  • 人的資本は好きなことに集中投資する。
  • 社会資本は小さな愛情空間と大きな貨幣空間に分散する。

本書の内容は、様々な書籍を読みながら、また、これまでの人生経験から、無意識のうちに取り組んでいたことでしたが、幸福に関する研究論文を読み込んだ橘玲氏が導き出した考察内容により、自身の人生設計により確信を持てるようになりました。

幸福な人生設計を知りたい方は、ぜひ本書を一読してみることをオススメします。個人的にベスト3に入る良書です。

また、こちらを読むとより幸福の資本論の内容についての理解が深まります。

参考

「お前、友達いないだろ」とイジメられても、平気です〜橘玲さんインタビュー【中編】FROGGY

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA