発売前から話題沸騰中の西野亮廣著「革命のファンファーレ」が本日発売されたので、早速読んでみたところ、評判通り良かったため、印象に残った箇所を紹介します。
西野亮廣著「革命のファンファーレ」の内容
本著は自身の絵本『えんとつ町のプペル』やこの本自体の作り方や売り方を書き記した、主にビジネスマン向けの現代版マーケティング本といった内容になっている。
したがって、Amazonのカテゴリーも「広告・宣伝」に分類されている。
作り方を疑うという作業「分業制」
絵本を一人で作らせている原因のど真ん中に「お金」という問題があった。ならば、お金さえ集めてしまえば「分業制」という選択肢をとることができる。(中略)「作り方を疑う」という作業から始めると、何やら人が手を付けていない問題が出てきた。つまり、その時点で他との圧倒的な差別化を図ることができたのだ。
西野さんが凄い点は、常識に縛られないところだ。普通は一人で作るものを、分業制という形で作品を作ることで、クオリティの高い作品を読者に届けた。
そう、読者からしたら、一人でも大勢でもあまり気にしていなかったりするのだ。
オリエンタルラジオ中田敦彦「運を掴むための戦略」
同じような手法でクオリティを追求した人がいる。オリエンタルラジオの中田敦彦だ。
彼は、パーフェクトヒューマンを作成するにあたり、従来のお笑いコンビでは考えられなかったダンスユニットを自ら結成し、プロを起用して本格的なコンテンツ作成に取り組んだ。つまり、本気でアーティスト活動を始めたのだ。
作詞、作曲、ダンスの振り付けからビジュアルまで、全てプロの手によってデザインされている。そう、パーフェクトヒューマンの大ヒットは、偶然ではない。夢の紅白歌合戦出場は、戦略によって掴み取ったものだったのだ。
最近ではYouTuberとしても、プロと手を組んで新たな挑戦に向けて動いている。
参考:RADIOFISH UNION【レディオフィッシュ】 – YouTube
人が嘘をつく理由「環境」
タレントは嘘をつかざるをえない環境に身を投じ、信用を失ってしまうわけだ。嘘は「感情」でつくのではない。我々は「環境」によって嘘をつかされる。
これは人によってはハッとさせられる指摘なんじゃないだろうか。
そう、タレントがよく睡眠術にかけられたり、グルメ番組で美味しいとしか言わないのは、大人の事情が絡んでいる環境だからだ。
西川史子さんの意見が世間の多数派「我慢すべき」
「サンデー・ジャポン」という番組で、コメンテーターの西川史子さんは「こんなこと、タレントをやっていたら日常茶飯事。私も経験があるけど我慢している。西野さんも我慢すべき」とコメントされたが、過労自殺をした方のご遺族の前で同じ台詞を言ってみるといい。
以前、西野さんは収録中に番組スタッフのイジリに激怒して途中退席をした。その行動は炎上し、西川史子さんにも「我慢すべき」と忠告をされた。これは今の日本社会を非常によく表わしている出来事である。
芸能人に限らず、社会に出ると理不尽なことを受けるのは日常茶飯事だ。しかし、多くの人はそれを我慢する。なぜなら、「そんなの当たり前」と言われてしまう環境であるし、生活が掛かっているからだ。
実際に僕もブラック企業時代、何度もそういう状況に遭遇し、その度上司に「こんなの当たり前でしょ」と言われてきた。
そう、西川史子さんのコメントが世間の多数派なのだ。だから日本社会では、キンコン西野氏のような出る杭は叩かれてしまう。
参考:キングコング西野が激怒、テレビ収録中に途中退席 – 芸能 : 日刊スポーツ
本音で生きる人が信頼を得るようになってきた
大御所に意見をしたり、情報番組のやり方に納得がいっていないことを行動で表明したりすると、オンラインサロンの入会者が顕著に増える。
上述した通り人は、生活が掛かっている状況では、意見を押さえ込んでしまうし、行動を我慢してしまう。
その点、西野さんは芸能界に自身の生活を依存していないので、本音で発言することができる。そういう本音で発言している人は、現代では非常に少ないため、ファンがつくのだ。
西野さんに限らず、坂上忍さんや有吉弘行さんなども、歯に衣着せぬ発言が多くの人の心を魅了しているんだと思う(とはいえ彼らは、西野さんと違って芸能界に依存しているため、一線を越えない範囲でのギリギリの発言ではある)。
人は冒険をしない生き物だ
「人が時間やお金を割いて、その場に足を運ぶ動機は、いつだって『確認作業』で、つまりネタバレしているモノにしか反応していない」(中略)ルーブル美術館にモナリザを見に行く人は、テレビか教科書で、すでにモナリザを見ているし、グランドキャニオンに旅行に行く人は、テレビかパンフレットで、グランドキャニオンを見ている。
確かに私たちが「行きたい」と思うのは、その対象を知っているからだ。
人は知っていると、今度は体験したくなる。インターネットにより情報革命が起こった今、物事の価値は体験やコミュニケーションにあるわけだ。
人は自分のポイントを上げる為に買っている
僕らは自分のポイントを上げる為に、目の前にいる人を喜ばせている。自分の為に、プレゼントを買っているのだ。キャバクラ嬢の目の前でシャンパンを注文する人もそう。自分のポイントを上げる為に、シャンパンを入れ、キャバクラ嬢を喜ばせているのだ。本屋さんで買っても、自分のポイントにはならない。
これも面白い指摘だ。価値が体験やコミュニケーションに移行した現代では、キャバクラ嬢やホストといった体験やコミュニケーションを扱ったビジネスの景気がいい。
それを西野さんは出版の業界でやろうとしているわけだ。
著名人の感想・書評・評判
出典:キングコング 西野 公式ブログ – 『革命のファンファーレ』の帯コメント全文公開 – Powered by LINE
下記に紹介させていただくことは、西野さんのマーケティング、いやこれからの出版社のコミュニケーション手法や読書体験となることでしょう。
西野さんのブログから、各界で活躍する著名人の感想を引用させていただきます。
秋元康氏
『革命のファンファーレ』の中で、西野亮廣は、惜しげもなく、発想の方法を教えてくれている。ただ一つ、忘れてはいけないことがある。西野亮廣は天才的なマジシャンだ。マジックのタネを真似したところで、同じようにできるわけがない。
小山薫堂氏
覚悟が無ければ、人生は何も変わらない!とするならば、まず覚悟してこの本を読むところから始めたい。
見城徹氏
衝撃を受ける。いかに自分がパラダイムシフトに対応出来ていないかを痛感する。西野亮廣はよくここまで惜しげも無く自分の「思考の根源」をさらけ出した。
堀江貴文氏
西野が起こす「革命」を、人は「奇跡」と言うだろう。だが、彼のしていることは理屈の通った真っ当な正攻法だ。
藤田晋氏
未来を待っているだけの者と、未来をデザインする者。どちらが勝者になるかは明らかだ。
前田裕二氏
固執する者は滅び、適応する者は繁栄する。これは「信用」の時代に日本一適応した西野亮廣が示す、生き残るための実践書だ。
AbemaTV「 革命のファンファーレ」特集
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— AbemaTV@今日の番組表から (@AbemaTV) 2017年10月1日
AbemaTVというスマホ向けインターネット番組で、上記6人がこの本について3時間に渡り語っています。ご興味ある方は、こちらをご視聴するとより本著が楽しめます。
CAMPFIRE「 革命のファンファーレ」刊行記念イベント
また、驚くべきことに、革命のファンファーレの出版を記念して、1万人を集めて飲み会を開催するそうです。ご興味ある方は、こちらもチェックしてみてください。
参考:『革命のファンファーレ』1万部プロジェクト – CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
おわりに
本書を読み終わり、こうしてまんまと自分の時間を使用して、西野さんの本を宣伝していることに気が付いたことを最後に添えて、締めさせていただきます。
「西野、やられたぜ!」