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仕事に能力は関係ない。9選 中川淳一郎【要約・感想・書評】

仕事に能力は関係ない。9選 中川淳一郎【要約・感想・書評】

こんな疑問や課題に答えます▼

中川淳一郎さん(フリーライター)の2016年5月出版「仕事に能力は関係ない。27歳無職からの大逆転仕事術」の内容や評価、感想とは?

仕事に能力は関係ないとは、どういうことだろう?

とも

中川淳一郎さんは、1973年生まれのWEB業界では著名なフリーライターさんです。経歴は、一橋大学卒業後、博報堂(コーポレートコミュニケーション局でPR業務)に入社し、5年間の勤務後、27歳のときに後先考えず独立したという面白い方です。

そんな中川さんの名を世に轟かせたのが2009年に出版された「ウェブはバカと暇人のもの」です。ニュースサイトの編集長に従事して感じたインターネットユーザーの事実を描写した、当時話題となったベストセラー本です。

そんな中川淳一郎さんの、博報堂から独立してどのようにして今の地位を築き上げていったのか?当時の心境や仕事術が赤裸々に書かれていたので、興味深い内容と学びが深い箇所を紹介したいと思います。(私事ですが、僕も27歳で独立したので共感多数)

仕事に能力は関係ない。9選

なぜ若手フリーランスは二極化するのか。それは、それなりに信用のおける人というのがフリー業界にはそれほどいないため、信用できる人に仕事が殺到するのである。悪評の四天王といえば「締め切りを守らない」「カネにうるさい」「遅刻する」「連絡しても返事をよこさない」といったところで、「カネにうるさい」以外であれば、常識の範囲内で挽回できる程度のことだ。(中略)

①どうやって仕事を取っていくか、そこで展開されるやり取りの紹介
②フリーランスとして獲得した仕事をどう進めていくか、その具体的方法の紹介
③報酬の実態の紹介
④世間が見下す貧乏フリーランスの実態とそこからの克服方法

全てを紹介してはキリがないので、本書の中から9つに厳選して紹介します。

お金(仕事)さえあれば最高の人生

学生時代の友人から見下され、仕事相手からは「あっ、正社員じゃないの……」と一瞬怪訝な顔をされ、さらには収入が一切安定せず人生設計さえできない労働スタイルである。(中略)世の理不尽さや、人がいかに肩書を重視しているかを思い知った1年でもあった。それと同時に、別に会社に入らずとも世の中には仕事が案外たくさんあり、様々な場所で人間というか労働力が求められていることも分かった。

結論としてフリーランスは「仕事さえあれば最高の人生」だと言える。なにしろ無駄な会議やら通勤時間もなければ、面倒な社内行事さえない。出世レースや派閥の争いにも巻き込まれず、自分のペースで仕事ができる。安定はないが、仕事人人生としてはかなりストレスはない。ただし、仕事さえあれば、だが。

今はSNSの普及でフリーランスの地位は向上しつつありますが、中川淳一郎さんの時代は正社員信仰が強い時代です。まあ今も正社員じゃないと婚活市場や賃貸やローンなどの融資のときに怪訝な顔をされ、審査が通りづらいですけどね。

しかし、中川淳一郎さんが仰る通り、別に会社に入らなくても食べていけることを実感しています。そして、お金(仕事)さえ稼げれば本当に最高の働き方ということを身に沁みて感じています。

つまり、フリーランスの課題とは、安定して稼ぎ続ける能力ということに帰結します(中川淳一郎さんは仕事を獲得する能力と表現していますが)。僕は毎日この能力を高めるために試行錯誤している感じですね。周囲をみてもそうな感じです。

その能力を高める上で、下記の本がとても参考になりましたので、ご興味ある方はご一読ください。


参考
マーケット感覚を身につけよう13選 ちきりん【要約・感想・書評】ともろぐ

博報堂を辞めた理由

そもそも私はなぜ博報堂を辞めたのか。理由は、このまま会社にいても出世せず、窓際族になる未来が見えたからだ。あとは当然、あまりにも労働時間が長かったことも影響している。昨今「ブラック企業」という言葉があるが、あの頃の私の労働状況は「ブラック」と言っても構わないだろう。私は博報堂をブラック企業扱いするつもりはない。あくまでもあの時の私が仕事を抱え込み過ぎ、誰にも相談をしなかったがためにあそこまで長時間会社にいて、「くそ!辞める!」と判断しただけだ。

明るい将来が見えないのと、長時間労働により会社を辞めるというあるあるですね。長時間労働も相談すれば、仕事を抱え込まずに案外何とか仕事の調整をしてくれたりするもんなんですよね。

もし会社に相談しても、問題が解決されない場合は、素直にやめて転職した方がいいですね。今は本当に短期離職者に優しい社会になりましたから。


参考
【第二新卒】転職エージェントおすすめ・比較・評判・口コミともろぐ

フリーランスの最大の利点

27歳の秋、まだ次の人生を始めるには若いし失うものがない状態だ。あと3年もしようものなら、結婚して子供がいたかもしれないし、現在のようにフリーで仕事がガンガン来る状態の人生に至っていなかったと思う。あの苦痛の20代後半を過ごせたから今につながった。(中略)

結果論ではあるものの、42歳の今、私はフリーランスになって良かったと思っている。理由は会社にいるよりもカネを稼げたことと、通勤をしないでよい人生を送れていること、さらには様々なことについて判断を他人に委ねるのではなくすべて自分で決められる点にある。そして、もっと大きいのは、フリーランスであれば、すべての評価が自分に戻ってくる点にある。失敗でも成功でも、すべての評価とカネはこちらに戻ってくる。これぞ会社員では味わえない醍醐味だ。

ただただ、ひたすら共感です。僕も27歳で独立したのは、失うものがない状態だったからです。そして、フリーランスが最高な点も、様々な判断を自分で決められる点です。もちろん、評価もお金も全て自分次第なのでやりがいが抜群にあります。

心理学の巨匠アドラー心理学において、幸せな人生を歩むために1番必要なことは自分の人生を歩むことです。これがフリーランスだと非常に歩みやすいので、稼ぐ力さえあればこれほど最高の働き方はないと感じています。

アドラー心理学については、200万弱の大ベストセラー本である嫌われる勇気について、下記の記事にまとめてありますので、幸せになりたい方は、読んでみてください。


参考
嫌われる勇気まとめ アドラー心理学9選【要約・感想・書評】ともろぐ

フリーランスの仕事を受けるか否かの判断基準

いかに仕事というものが、くだらない建前とどうでもいいオッサン(上司・客)を出世させるために若者が貴重な時間を差し出しているか。締め切りの迫った原稿なんてもんはあるワケもないのだが、もうこの場にはいたくなかったのである。クライアントというカネを払う側の立場だということだけで、会議が長いことにキレるこのオッサンともう一緒にはいたくなかった。

博報堂の社員・PR会社の社員であれば、そこは多額のカネを貰っているだけに、ペコペコしながらこの非常識な言動に付き合わなくてはいけないだろう。だが、会社員ではなくなった私の立場だったら、そんなことをやりたいワケもない。(中略)また、会社員時代に散々やっていた「店舗のインナーイベント」の現場スタッフみたいなことを、これ以上やっても自らが成長しないことは分かっていた。現場のトップであれば成長はするが、末端のスタッフに成長はない。

仕事というものは、好きな人が相手であれば、カネだけではない部分で頑張ろうと思うのだが、好きでもない相手に対しては、頑張る気などおきない。これが、フリーランスの仕事を受けるか否かの判断基準となるベースとなる。

会社員時代は、社内、社外問わず様々な調整業務に追われて、やりたくもないことを一緒に働きたくないしょうもない人と仕事をしなくてはならないことも多々ありますが、フリーランスは判断基準を自分でコントロールできるのが最強ですよね。

知り合いからの仕事の注意点

「中川さぁ、どうせヒマだろ?ブラジルに2週間くらい行ける?その間のスケジュール、とりあえず空けておいて」と言われ、色々バイトのオファーはあったものの断っていた。だが、このブラジル行きの話、すっかり連絡がなくなった。どうなったのかを聞いてみたら「わりーい、別に行ける人がいたので、その人に頼んじゃった。ごめんな、連絡忘れてた」と言われただけである。

「身内」に対しては、ちゃらんぽらんな対応で良い、と考えるのも広告代理店の慣習である。私も「違約金を払ってください!私はこの間、別のスケジュールを入れられませんでしたので休業補償もしてください!」なんて言うわけもなく、元々の人間関係があるだけに、「あぁ、そうですか。またなんか誘ってくださいね」と言うしかないのである。

フリーランスの中には、知り合いから仕事をもらう人と、知り合い以外から仕事をもらう人がいるのですが、どちらがいいのかは結構答えが分かれる点です。というのも、知り合いの場合、良くも悪くもなあなあとなり、トラブル時に精神を摩耗するからです。

知り合いの紹介経由もリスクがあります。知り合いの紹介という縛りで、途中で違和感を感じたり、仕事のやり方が合わないと感じた場合に、無下に断ることができなく、これまた精神を摩耗する可能性を含んでいるからです。

僕は今のところ仕事を身内から引き受けたことはありませんが、周囲の話を聞いてみると、良い点と悪い点があるため、結構これは難しいですね。とりあえず、知り合いから仕事を受けた場合は、無料でやるくらいの覚悟がいいと思います。

仕事とは、基本的に情報伝達がベース

カネを握っているのも発注主の正社員である。だからこそ、とにかくその正社員がスムーズに仕事ができるようなお膳立てをすることは心がけていた。その時に重要だったのが「電話にはすぐ出る」「電話に出られなかったとしてもすぐ折り返す」「メールにはすぐ返事をする」「ミスをしたらすぐに謝り、リカバリーをする」を心がけたことにある。

これは逆の立場になるとよく分かるのだが、「電話にはすぐ出てもらえる」「出なかったとしても折り返し電話が来る」「メールの返事をもらえる」「すぐに謝罪でき、軌道修正できる」人というのは、けっこう信用されるのである。いずれも仕事における基礎ではあるものの、仕事というものは基本的には情報の伝達がベースとなっており、それを元に作業をして成立するもの。だとしたら、コミュニケーションの段階での円滑な流れこそが仕事の成否を決めるといっても過言ではない。(中略)

こういったものは信頼関係によって成り立っているのである。そして、フリーで仕事を常時獲得するためには、能力云々以前に、「気が合う」ということが最重要事項として立ちはだかっているのだ。

企業から仕事を受注する方法だと、企業の正社員の方が立場が上みたいな風潮があるらしく、フリーランスでもよく正社員から冷遇された話をよく見聞きします。上も下もないといいたいのですが、結局お金が支配する社会だったりするのも事実です。

で、仕事とは、基本的に情報伝達がベースというのも非常に納得です。だから、すぐに連絡がつくというのは、それだけで信頼されるんですよ。逆の立場で考えればわかるとおり、情報伝達がスムーズに行く人はそれだけで重宝します。

フリーランスはグータラな人が多い

私見ではあるものの、フリーランスになる人間というのは、類まれなる才能を持っていて組織の枠組みで働くよりも個人の才覚でやった方がいいという人間以外は、グータラな人が多いものである。

フリーランスも会社員と同様、グータラでも食べてけたりします。フリーランスになり、色んな人と知り合ったのですが、「これでいいんだ」と自分は心が楽になりましたね。いざとなったら生活保護など社会保障制度に頼ればいいですしね。


参考
雇用・失業保険/雇用・失業手当は公共職業訓練がお得すぎるともろぐ

サラリーマン社会における不文律への理解

「サラリーマンの気持ち」とは、サラリーマン社会における不文律をいかに理解しているかということだ。基本的にサラリーマンは波風を立てず、発注主を立て、無難に仕事を進めることが求められる。仕事においてはなんとなくの「落としどころ」を理解しており、そのレベルのアウトプットをいかに出すかをフリーにも求める。それなのに妙にこだわりが強過ぎるネタを出してきたりすると、それは煩わしいだけとなる。フリーの心がけとしては、会社員の負担をいかに軽減するか、ということになる。(中略)

「その他大勢」にならないために何をやったかといえば、より常識的であることを心がけただけだ。フリーといえば破天荒な人生を送っている人が多い中、雇い主であるサラリーマンの気持ちにいかに同調するかということだけを考え続けたことにより仕事が貰えるようになった。

フリーランスとして仕事をしていく上で、なんだかんだサラリーマン時代の経験は大きいです。というのも、結局のところ多くの人はサラリーマンなので、そうしたサラリーマンとしての無難に仕事を進める文化の理解を知っていると楽だからです。

信念よりお金

見下された瞬間にキレて縁を切ることは簡単なことだ。だが、新しい発注主を見つけることはかなり大変なことである。だとしたら、自分の生活をいかに維持するかを考え、なんとかその人から捨てられないような行動をすべきである。それは自分の信念とは異なる行動かもしれない。だが、カネは大事だ。もしもカネがいらないのであれば、キレてもいい。だが、そんなことをしても後悔するだけである。

Twitterでの言動や著作をみてみると、中川淳一郎さんはすぐキレそうなお方にみえるのですが、意外と信念よりもお金を取るタイプみたいですね。僕は信念を取るタイプですが、中川淳一郎さんのお金への執着心がわかる印象深い箇所です。

まとめ

中川淳一郎さんらしく、書籍名の通りの内容でした。とはいえ、言葉の通りそのまんま仕事に能力が関係ないということではなくて、経歴やコミュニケーション能力が大切だよという内容であることを1つ付け加えさせていただきたいと思います。

また、世代間の価値観の違いなのか、仕事は与えられるものという側面が強く、正社員の方が立場が上、でも自由というような印象が受けられたのですが、仕事はいくらでも作れるということも述べさせていただきます。詳しくは下記にまとめてあります。


参考
10年後の仕事図鑑:堀江貴文&落合陽一【書評】ともろぐ

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