⇒⇒第二新卒・既卒転職エージェント

ゆるく考えよう12選 ちきりん【要約・感想・書評】

ゆるく考えようの思考法12選 ちきりん【要約・感想・書評】

こんな疑問や課題に答えます▼

ちりきん(社会派ブロガー)さんの「ゆるく考えよう」の内容や評価、感想とは?

ちきりんさんの生き方や働き方の考え方とはどんなのだろう?

とも

ちりきんさんとは、「Chikirinの日記」という超人気ブログを運営しているブロガーさんです。生い立ちが興味深く、医者の娘で、小学5年から新聞を3時間かけて読むような大人びた少女時代を過ごした方です。今のちりきんさんの片鱗がありますね。


参考
「新聞は1日3時間」社会派ブロガー・ちきりん氏の少女時代ASCII.jp

その後、日本社会の中心である東京に出るために受験勉強を頑張り国立大学法学部(一橋大学?)へ。卒業後は大手証券会社(SMBC日興証券?)に入社するも、お金の流れから世界の中心はここではないと感じ、退社。27歳のときにアメリカの大学院に留学してMBAを取得し外資系企業(マッキンゼー?)へ。

この傍ら個人的な思考を日記ノートで書いては捨てるを繰り返していたことにあるとき疑問を感じ、ノートではなく匿名ブログで2003年から綴るようになり、2007年頃から注目を浴び、今の大人気ブロガーというのがざっとした経歴です。

そして2011年1月、「ゆるく考えよう」がちりきん最初の書籍として発売されて大ベストセラーとなるわけです。ちなみにこのとき帯には堀江貴文氏が書いており、それがまた部数を伸ばしたようです。ということで、興味深い箇所と学びを紹介します。

ゆるく考えよう12選【要約・感想・書評】

この本は、過去5年間にブログに書いてきたことの中から、ちきりんの考え方が強くでているようなものをピックアップし、大幅な加筆・修正のうえ、新しい原稿も加えたものです。自分も含め多くの人が捕らわれがちな規範(といわれているもの)の滑稽さ、バカバカしさを表現してみました。読者の方だけでなく、自分に向けても「つまらない規範から逃れて自由になろう!」というメッセージを送りたかったのかもしれません。(中略)

私は朝から晩まで(時には休日まで)働き続ける生活に疑問を感じ、長く勤めた外資系企業を退職して、新しい働き方を模索し始めていました。若者人口が大幅に減少し、税金や社会保障の負担もどんどん重くなる中、従来通り、「とにかく頑張れ」といった精神論だけでは、誰もが疲弊するばかりだと感じたからです。仕事やお金や人生設計に関して、もっと自由に発想し、もっと合理的に判断できれば、今という時間を楽しむことを、もっと優先する生き方ができるはず。そう考えてこの本を書きました。

多くの学びがある「ゆるく考えよう」の中から、12つに厳選して紹介したいと思います。

自分は何をしていたら楽しいのか

世の中はグローバリゼーションやIT革命など、激変の様相を見せていますが、こういう時ほど個々人にとって大事なのは、「自分は何をしていたら楽しいのか」という自分目線の価値観です。そういった視点がなければ、私たちは容易に流され、知らず知らずのうちに自分のためではなく、誰かのため、社会のために生きることになってしまいます。(中略)

今の時代は、頑張れば報われるとはいいがたいものです。それよりも、自分にとっての「好き」「楽しい」「ラク」を貫くほうが、何ごともうまくいくんじゃないか、と考えているのです。好きなことなら夢中になれるけど、嫌いなことはついつい後回しにしてしまう……そんな私には、我慢してやっていることがよい結果につながるとは到底思えません。自分がラクで楽しく感じられることをやって生きるのは、甘えでも逃げでもなく、むしろそれこそが正しい道のはずなのです。

激動の現代社会では、自ら立ち止まって考える機会を作らない限り、あっという間に年数が経ってしまいます。そして、気付いたら他人の人生を生きている、というような人が多いのではないでしょうか。昭和と平成で社会は全く別のものになりました。

高度経済成長時代の日本と違い、現代の日本経済ではただ頑張れば報われるというような単純な話ではなくなってきているのです。そんな時代の中で、求められることは「夢中になれることに没頭すること」なんですよよね。

これは堀江貴文氏と落合陽一氏の10年後の仕事図鑑に書かれているこれからの働き方や生き方をみてみても、同様なことが書かれています。詳しくは下記の記事をご一読ください。


参考
10年後の仕事図鑑:堀江貴文&落合陽一【書評】ともろぐ

面接官が素晴らしい人というくだらなさ

多くの学生は就職のとき、「会った人がすばらしい人だった」などという、ほとんど意味のない理由で会社を選びます。そんな適当な理由で入った会社でも、やめるとなるとやたらと悩むのです。「自分の頑張りが足りないのではないか?」と考える人までいますが、生まれて初めて選んだ仕事が、自分の人生を賭けたい仕事であったなどという「運命の出会い」は起こらないほうが普通です。

しかし、日本には「たとえ適当にはじめたことでも、簡単にやめてはいけない」という道徳観があります。周囲もやたらと「即断すべきでない」というプレッシャーをかけます。やめることは「逃げ」とか「根性がない」といわれ、とてもくだらないことでも、続けることに、やめることより高い道徳的価値がおかれます。(中略)「Exit戦略」という言葉があるように、欧米の企業にとって終わり方は「戦略」です。「ここぞ」というタイミングで「これしかない」という終わり方を、積極的かつ主体的に選ぶ。そのため彼らははじめたときからずっと「どう終わるべきか」を考えています。

欧米の企業では、EXIT戦略という言葉があるように、しっかりと出口を決めて主体的に終わらせるようです。一方、日本では、新卒一括採用でとにかく大量の学生を採用し、中には使い捨てを考慮して大量採用してふるい落としにかける企業もあります。

そのため、無駄に立地がよかったり、受付のお姉さんに人当たりのよい綺麗な女性を配置していたり、面接官や会社説明会でもイケメンや美女、人柄のいい人材を配置して、世間知らずの就活生を半ば騙くらかして採用する会社というのが多いです。

何を隠そうこの僕がブラック企業に入社した要因の1つが面接官が優しそうや受付のお姉さん綺麗といった単純な理由だったので、とても気持ちがわかります。ブラック企業はあの手この手で純水無垢の学生を騙しにかかるので、本当にタチが悪いです。


参考
新卒入社1ヶ月で会社をすぐ辞めた・退職した理由【失敗・後悔】ともろぐ

本気で貯蓄を増やしたいのなら、土日にバイトをすべき

月給30万円の人が毎月4万円分の支出を減らすには、相当ケチケチする必要があるでしょう。また、運用で月に4万円を稼ぐのも大変です。月収の10ヶ月分にあたる300万円の貯金があったとしても、月4万円(年に48万円)の利益を上げるには、年利10%以上で運用する必要があります。つまり、本気で貯蓄を増やしたいのなら(会社の副業規定を確認のうえ)、土日にバイトをすべきなのです。

ところが貯蓄を増やしたい人の多くが「節約しよう」とか「運用して儲けよう」と考えます。なぜかといえば、結局のところ、その人はそんなに切羽詰まってはいないからです。どうしてもお金が必要なわけではなく、「貯めないとまずいな」くらいだからです。「来月までになんとしても30万円必要!」という切実な理由があれば、人は夜か休日に働きます。実はみんなわかっているんです。「節約や運用でお金を貯めるのは難しい。確実に貯蓄を増やしたければ収入を増やすことが必要だ」と。

「貯蓄増やしたいなら普通にバイト」とは、堀江貴文氏も仰っていたことです。とはいえ、ほとんどの人は休日にバイトするほど切羽詰ってはないんですよね。僕の父親は多重債務者でしたが、「休日も働いたらぶっ倒れる」とバイトしませんでした。笑

お正月にヤマザキの工場で働いていたことはありましたが、休日まで働くほど切羽詰ってはいなかったのかもしれません。僕なら、自己破産や生活保護など社会保障制度を素直に頼りますが、父親はそういう制度を利用することも抵抗があるようでした。

余談ですが、この経験から僕は「もっと上手い生き方・働き方があるだろう」と疑問に感じて、数百万の借金に苦しんでいた高校時代から、堀江貴文氏や経済評論家の勝間和代氏の書籍を読み漁っていたことを懐かしく思い出しました。

失業保険や失業手当については下記の記事に詳しくまとめております。


参考
雇用・失業保険/雇用・失業手当は公共職業訓練がお得すぎるともろぐ

短期離職が人生を変える

一般的には人は安定した生活を求めます。だから新卒で就職できる企業があれば、わざわざ起業をしようとか、海外で職探しをしようとは思わないでしょう。そして、仕事が見つかってしまえばその後は思考停止になり、能動的に仕事を変えたりはしなくなります。でも最初から仕事が見つからなければ、組織に頼らず生きる道を必死で探らざるをえない人もでてきます。

そのハングリー精神が時代の変わり目に思わぬ結果につながることもありえるのです。そう考えれば、不況で新卒採用の氷河期が再来するのは必ずしも悪いことばかりではありません。「就職先がなかったから仕方なく選んだ道」が将来、「この道を選んでおいて本当によかった」と思える結果につながるかもしれないのですから。(中略)

他の作家の言葉にある「人生の傍観者になるな。観客席に座っていてはいけない。舞台に上がって自分の人生の主役を演じるのだ」というのも同じ意味でしょう。 ボーッと観ていると、人生という名のお芝居はいつの間にか終わってしまいます。お芝居を観るのもそれなりに楽しいけれど、やはり主役として演じなければ本当の楽しさはわかりません。観客席に座って、「ああ、俺は大学に行くのだな」「就職するのか」「そうか、ここで結婚するのか」と、自分の人生をまるで他の誰かが演じているかのように観ていては生きる意味がありません。

僕は新卒でブラック企業に入社し、1ヶ月で退職したことをきっかけに、組織に頼らず生きる道を必死で探すようになったので、人生というのは本当に「人間万事塞翁が馬」だと感じます。

MEMO

人間万事塞翁が馬とは、人生における幸不幸は予測しがたいということ。幸せが不幸に、不幸が幸せにいつ転じるかわからないのだから、安易に喜んだり悲しんだりするべきではないというたとえ。

日本では3年以内に辞めるのは甘え、というような風潮があり、この変な価値観に縛られて真面目な人ほどブラック企業に搾取されてうつ病や最悪の場合、過労死してしまう人が多いです。僕も辞めた当初は不安でしたが、今となっては辞めて大正解でした。

僕の周りでも短期離職した人は、次の会社で幸せな人生を歩んでいる人ばかりなので、この事実はぜひ知ってほしいと思います。転職エージェントという無料で転職をサポートしてくれたり、無料でプログラミングを学べたり、今は環境も最高ですしね。


参考
【第二新卒】転職エージェントおすすめ・比較・評判・口コミともろぐ

給料は「需要と供給」で決まる

(1)多くの人にはできないスキルを身につける
供給(=代替労働者)が少ない分野で職を得るためには、他の人とは異なる分野で経験を積み、他の人が学んでいない技術を学ぶ必要があります。周りの人と同じ道を選ぶのはわざわざ供給過多の海に飛び込むようなバカげた行為であり、同じスキルを持つ応募者が多ければ企業側はいくらでも労働力を買い叩けます。けれど、世間の人と違う分野に時間やお金を投資するのは勇気のいることです。しかも親はたいてい本人より保守的で、我が子がみんなと同じであることを強く望みます。だからこそ「他者と違うことをする」というリスクを取った人だけが、高い給与を得られるのです。これを逆バリといいます。

(2)世の中が求めていることが、できるようになる
他者が持たないスキルを身につければいいとはいえ、スイカの種が100メートル飛ばせても高給の仕事は得られません。世の中が求めていないこと=需要のないこと、ができても意味はないのです。しかも世の中が求めていることを理解するのは簡単ではありません。なぜなら、現時点で求められているスキルは既に多くの人が習得を目指しており、すぐに供給が増えてしまうからです。必要なのは、「将来、世の中で求められること」を予測して準備することです。これを先読みと呼びます。

私は、成功した起業家らが金銭的に報われることを当然だと思っています。彼らは逆バリのリスクをとり、先読みして(結果として)当ててきたのです。将来にわたって給与を上げていくためには、人と違うことをやり(=逆バリで供給の少ない分野を狙い)、ここぞと思う分野を自分で選択する(=先読みで需要が大きい分野を予測する)ことが必要なのです。これからの時代、「みんなと同じだから大丈夫、安心だ」と思うのは、大きな錯覚です。人と違うことをやりましょう!

人と違うことをする」という逆張りや「将来求められることを予測する」という先読みの重要性は、YouTuberやブロガーの普及や仮想通貨の普及により、有効な戦略として有名ですが、ちきりんさんはそれをずっと前から主張していたことに驚きです。

ほとんどの人が今後、AIによって代替可能な人材として扱われるようになる世の中で、今後はより一層この2つの戦略は大切になってくると思います。先読みして逆張りして時が来た場合、先行者利益で一気に成功できます。

仮想通貨で億り人となった人たちを見れば、そのことがよく理解できるでしょう。この思考法は今からでも間に合うので、僕も次に来る未来を淡々と予測し、準備していきます。そして、このブログで発信していきたいと思います。

人脈やネットワーク作りよりも、自分の付加価値

そもそもみんな、仕事や自己実現にそんなに人脈やネットワークを使っているのでしょうか?ちきりんが思いつく「人脈が重要な仕事」は、保険販売の営業員くらいです。本当は人脈が多いことより、本人が魅力的であるほうがよほど意味があるはずです。魅力的な人の周りには自然に人が集まるので、人脈なんて簡単につくれるからです。「自分が知っている人が多い」状態ではなく、「自分を知っている人が多い」状態のほうが効率がよいですよね。

人脈やネットワークとは「結果としてついてくるもの」であって、それをつくるためにわざわざ努力するようなものではありません。そんな時間があったら自分が好きなことに集中し、その分野で「すごく魅力的」といわれる人を目指したほうが、将来きっと役に立つでしょう。

これは首がもげるほど頷きました。よく異業種交流会や、インフルエンサーなどの集いの場にいくと、この手の人脈作り系の人たちと出会うのですが、結局のところ、本人に魅力的な価値がないと、本物の人脈なんて形成できないんですよね。

この人脈作りへの違和感については、2007年にベストセラーとなった1万円の本「1日30分を続けなさい」でも綴られていましたね。


参考
1万円のベストセラー本「1日30分勉強法」が凄すぎる!ともろぐ

得意分野を絞り、できる人を目指すこと

外から見れば、ただひとこと「すごい!」と思える人でも、実はCPUが早いだけとか、バッテリー容量が大きいだけ、という人もいます。多くの人は自分が強いところをうまく活用し、全体として「できる人」に見せているのです。何もかもがすごい人は、実際には多くはありません。 「自分はどれで勝負しようか?」と考えてみてはどうでしょう。CPUに自信がなければ、バッテリー持久力で体力勝負とか、プレゼン方法を磨いてカバーするなどして、得意分野を絞り「できる人」を目指しましょう。

これも今ではSNSの普及によってだいぶ浸透してきた幸せに生きる働き方ですが、それでもまだ自分の強みを見つけられていないという方は多いようです。そんな方は「ストレングスファインダー」という強みを診断できる本書をチェックしてみてください。


参考
自分の強み・長所・適性をチェック!仕事が楽しく幸せになる方法ともろぐ

話の通じない人は一定比率でいる

「世の中にはコミュニケーション成立比率が低く、普通に話していてはわかりあえない人がいる」と開き直ってしまえば、むしろ楽になります。ときには正直に、「すみません。私にはあなたのいっていることが全然わからないのです」といってみてもいいし、「あなたも、私のいっていることがわかりにくいのですよね?」と聞いてみてもよいでしょう。

「人間同士、話せばわかりあえる」と思うからつらいのであって、「話の通じない人も一定比率でいる」と諦めれば、考えようによっては「今日は3割も話が通じた!」と喜べるかもしれません。お互い理解しにくいことを認めたうえで、そこから工夫をこらせばよいのです。

これを知っているだけで、無駄に人生を消費しないので、なにげにとても大切なライフハックだったりします。Twitterを見れば分かる通り、世の中には本当に色んな人がいます。人生には、ときに諦めも肝心な場合があるのです。笑

コミュニケーションの定義

私にとっての「コミュニケーション」の定義は、「発信者側が感じていることを、受け手側に、できるだけ忠実に再現・再生させること」です。たとえば、自分が怒っているとしましょう。コミュニケーションとは、相手に「私は怒っている」と思わせることです。そのために「私は怒っている」と発言するのもひとつの方法ですが、何もいわず、怒っているとわかるような態度を取る方法もあります。どちらもコミュニケーションの手段です。

相手がとても敏感な場合は、婉曲な言葉や方法を選ぶ必要があります。そうしないと「私は怒っている」と伝えたいのに、相手は「激怒していて、もう一生許してくれないだろう」と受け取る可能性があります。これはコミュニケーションの失敗です。反対にとても鈍感な人が相手なら、「私は怒っている」ことを伝えるために、怖い形相と怖い声で何度も繰り返していわないと、「今日は機嫌が悪いな」くらいにしか伝わらないかもしれません。

このように、「自分が怒っている」というシンプルなことを伝えるだけでも、相手の性格にあわせてコミュニケーション手段を使い分ける必要があるのです。分解して考えると、コミュニケーションを成功させるためには、
(1)自分が何を相手に感じさせたいか、思わせたいかを正確に理解する
(2)相手の受動体の仕組みと感度を理解する
(3)相手の受動体に送るべき言葉や態度を具体的に選択する、という3つのプロセスが必要です。

自分が何をいいたいかだけを理解した後、すぐに発言してしまっては、相手に誤解を与えることもしばしばでしょう。必ず「相手の受け止め方」を想像してから、それにあわせた伝達方法を選ぶことが重要です。コミュニケーション能力とは、「受信側のシステムを理解するスキル」です。他者の受信メカニズム、感度や感情のバリエーションに対する知識や理解こそが重要なのです。 普段から同じような立場の人だけとつきあっていると、「こういう言葉は、こういう意味として伝わる」と無意識にすり込まれてしまいます。

これは目から鱗が落ちました。コミュニケーションとは、相手の性格に合わせて手段(言葉や態度)を使い分ける必要があり、自分が相手に何を感じさせたいかを理解することが重要ということです。

これは25年間博報堂でコピーライターとして、伝える力について研究し尽くした佐々木圭一さんも仰っていたことと同じです。詳しくは下記の記事に詳細をまとめておりますので、ご一読ください。


参考
伝え方が9割のコツまとめ 佐々木圭一【書評・感想・要約】ともろぐ

性格は変えられると確信した方法

なるべく「モノを考えない性格の人」とつきあうようにしています。と書くと「ワタシのこと?」「オレのこと?」と驚く友人が何人もいそうですが、これはもちろん悪口ではありません。楽観的でなんでも前向きに考えて、失敗しても大笑いして済ませることのできる人たちと一緒にいると、「こんなに大変なことでも、こういうふうに受け止めればいいのだ」と学ぶことができます。あまりに呑気に見える友人たちはみんな大事なメンタル・コーチです。

反対に、自分と同じように内省的で考えすぎる人に出会うと、深く理解しあえるメリットはあるのですが、一方で「生きる意味は?」「これが人生で今やるべきことなのか?」と、答えのない議論を突き詰めたり、傷口をさらしあってお互いにピリピリしてしまい、ときには怖く感じることもあります。「もっともっともっと考えないといけないのではないか?」と思いがちな自分にとって、何を議論していても、すぐに「難しい話はそこまでにして、とりあえず夕食は何を食べる?」と話を変えてくれる人は本当に貴重な存在です。

長いあいだ、「できるだけネガティブに考えないようにする訓練」を続け、できるだけ呑気な人たちと一緒に過ごしていると、感受性レベルも次第に下がってきます。さらに何十年のあいだには気質自体も変化し、最近は自分の性格についても「比較的いい感じじゃない?」と思えるほどになりました。この経験からちきりんは、「性格は変えられる」と確信しています。もちろん、「完璧なる脳天気さ」を発揮してくれる友人たちを見ていると、「あっ、無理。こうなるには300年かかる!」とは思うものの、昔と今の自分を比べればその変化はかなり大きく、「よく頑張った!」と自分で自分をほめたいくらいです。

たいていの人にとって「成長」とはスキルが向上したり、知識が増えたり、判断力にききがかかったりすることを意味するのでしょうが、私にとっての成長とは「できるだけ鈍感になること」「あまり考えこまないようになること」であり、振り返ればそのための「性格改造」こそが成長の目的であり軌跡であったと思います。もしも「自分を変えたい」と思っている人がいらっしゃれば、強く信じてください。性格は必ず変えられます。

これは内向的で敏感体質の僕にとって、非常に感銘を受けた箇所です。これを読んで、結婚相手の最優先事項は「モノを考えない性格で楽観的な人」になりました。そして「鈍感であまり考えこまないようになること」を意識するようにしました。

内向型や外向型に関しては、下記の記事に詳しくまとめてあります。


参考
内向的・外向的な性格の診断チェック:5つの特徴を徹底解説ともろぐ

自分の表現方法と出会う重要性

インターネット上で多くのユニークなウェブプログラムを発表しているphaさんという方と対談したとき、「プログラミングを知ったことで、自分に適した表現方法に出合った」という趣旨のことをいわれていました。この言葉を聞いてちきりんは、「プログラム=表現方法」なのだと初めて認識しました。

人間はみな自分の中に「何か」を持っています。それらはなんらかの表現方法を通して伝達可能な形にしないと他人には理解されません。それどころか、表現方法というフィルターを通さないと、自分自身でさえそれが何なのか意識的に理解できないこともあります。誰かに自分のことを伝えたい、理解してほしい、自分自身、今自分の中にあるものを理解したい、というのは、誰もが持つ自然な欲求です。だから、その「自分の中の何か」をうまく表現できる方法やツールを手に入れられたら、とても幸せでしょう。

僕もブログやTwitterという表現方法を得たことで自己表現が楽しくなりました。もっと言えば、インターネットに出会えたことで人生が変わりました。したがって、みなさんも色々と自分に合う表現方法を模索してみると人生が豊かになるかもしれません。

  • 話し言葉
  • 書き言葉(散文)
  • 短歌俳句、詩、コピーのような言葉、韻文
  • 演芸(落語、漫才、洒落など)
  • 写真
  • デザイン、意匠
  • 楽器
  • メロディ、曲、リズム
  • 声体(踊り、体操、表情など様々)
  • 演技、劇
  • 映像
  • 料理
  • プログラム
  • 創造物(建造物、モノ、現代アートなど)
  • 働き方
  • ビジネス

このように世の中には、実に様々な表現方法があります。もしまだ自分に合った表現方法を見つけられていないという方は、ぜひ上記の中から少しでも興味のあるものを試してみることをオススメします。

海外旅行の大きな効用=同じものをふたつの視点から見られるようになる

人は生活の中で様々なものを手に入れ、年を取るごとに自分の持っているもの──仕事やキャリア、家族や人間関係、環境や資産について、ものすごく大事で尊いもののように思いはじめます。そしていつしか、それらを手放すことが怖くなります。ところが全く違う場所に行くと、「そんなに必死で守る必要があるんだっけ」と思えたりします。

どちらの見方が正しい、というわけではありません。同じものをふたつの視点から見られるようになるのです。自分の存在や 信じているものの価値を相対化できるようになるのでしょう。だから海外で強烈な体験をして帰国するときには、精神が少しだけ解放され、一歩自由になった自分を感じることができます。それが、ちきりんにとっての海外旅行の大きな効用なんです。

人は何かを手に入れるよりも手放す方が大変だと思います。僕の人生においてそれは、会社員でした。フリーランスとなって飛び出した今となっては、笑い話なのですが、当時は独立するにあたってとても悩んだものです。

それくらい人間というものは、一度手に入れた地位や環境や物事について執着し、捨てられなくなってしまう生き物なんですね。余談ですが、僕は海外旅行に1人で行くことができません。それは、旅行の楽しさを誰かと共有したいタイプだからです。

まとめ

  1. 自由に生きる、ということ。誰かと比べられるのでも社会に評価されるためでもなく、自分のために生きよう、ということです。
  2. モノは考えよう。世の中はいうほど暗くない。楽観的に生きよう、ということです

ちきりんさんの考え方の根底には、このふたつの原則があります。そして本書から得られた内容が正にこの2点でした。特に考えすぎて動けなくなってしまう自分としては、「楽観的に生きよう」という考え方に心打たれましたね。

ちなみに自分の人生を生きるために必要な考え方については、心理学の巨匠アドラー先生の書籍が非常に参考になります。この本を読めばわかるのですが、アドラーとちきりんさんの考え方は驚くほど似ています。ぜひチェックしてみてください。


参考
嫌われる勇気まとめ アドラー心理学9選【要約・感想・書評】ともろぐ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA